さてさて、なんとか妹にPCを借りて更新です。


本日は、

●『成人前夜』を完全なる自我の観点で振り返る

の巻き。



昨日に引き続き超長文で繰り広げる予定なので、興味のある方はお付き合いください。



併せて昨日の記事にレスポンスしてくれた方々、どうもありがとう。
前半があまりに波乱に満ちていたので、後半の方が少々雑になってしまいましたが、長い目で見りゃそんなどうでもいいこと気にしないように。



では。









●『成人前夜』を完全なる自我の観点で振り返る2006年1月8日、下北沢はCLUB251というライヴハウスで敢行されたNICO Touches the Walls初のワンマンライヴ『成人前夜』。ライヴタイトルの由来は、俺を含むメンバー四人中二人が本当に成人式前夜だった(笑)ということ、そしてCD等の正式な音源を発売する前に行われるライヴだったので、CDが出る=大人(成人)と仮定したときのライブの意味合い、その辺をうまーくまとめたものが結果『成人前夜』と相成りましたということで。当初は1月8日ということもあり『一か八か』というような案も出たり出なかったりしたのだけど、みんなで話し合った結果まあ『成人前夜』がいいだろう、と。ワンマンライヴをやろう、という提案はマンスリーライヴが終わったくらいの頃に既にあった。「このままライヴを続けてお客さんが集まってきたら年明け2月くらいにワンマンやろうか。しかもやるならCDとか正式な音源を出す前がいい。」あー、確かにできたらいいなあ。正式なCDを出す直前にワンマンライヴってのはありがちな話だけど、まあいいか。その時はその程度にしか思っていなかった。だって課題は山積みだったわけで、、、昨日の記事と重複するけど、まず曲が書けなかったから当然、曲が足りない。そして、あるところでは「ガス欠」とかなんとかいわれているけど、一本たった30分のギグにも関わらず初っ端から余計な力ばかり入って後半で声が持たなくなる、体力不足。そして何より一番肝心な、お客さんの数。やる側がいくら準備万端でもこればっかりは見てくれる人がいなきゃ始まらない。「なんでこの人達これでワンマンやってんだろ」多少技術が未熟でも見てくれる人がたくさんいればまあまあ形になるモンだが、マンスリーライヴの時点では正直そこまで人が集まったとは言えなかった。集まったときもあったけど、そんなん一度や二度だし、当時のギグの質からしてみればそれは当然でしようのないことだった。兆しが見えなかった。だから「できたらいいな」。。。まったくもって不透明で、それくらいにしか思えなかった。それが夏過ぎ、残暑厳しいくらいの頃だったろうか。「1月8日にワンマンやります、決定です」マネージャーから突然の宣告。え、、、本気?「本気です、場所も押さえました」前述の不透明さはその時点ではまったくもって変わっていなかった、、、だけに全く乗り気になれない。時間はあるかもしれないけれど、今の俺らには勢いがないんだ。決定したという事実が日に日に現実味を帯びてくると益々不安になった。10月のある晩ライヴに来てくれるお客さんからのメールで、ホームページでの告知が始まったことを知る。うおー、、、もう退くにひけねえ。。。やるっきゃない。ランニングを始めた。まずは体力不足から解消。高校の頃みたいなハイペースを競う走り方よりも、はや歩きよりちょっとはやいくらいの走り方が良いようだ。有酸素運動になって呼吸量が増えるらしい。これを朝できるときに一回20分以上やるようにした。走り込みなんて小学生の頃から一度も好きになったことなんて無いが、自分の作る音楽のためとなるとなんだか楽しいし気持ちいい。思ったより回数走ることができた。あとは練習の時やギグの時に、歌う際の余計な力を抜く方法を試行錯誤した。単純に体力は足りなかったからつけなきゃいけなかったけど、余計な力みをなくすことも大事だということに気づいて実践してみた。いざ考えながら歌ってみると今までは肩とか首に相当力が入っていたみたいだ。これを抜くと幾分か声も出しやすくなった。うんうん、徐々に長く歌えるようになってくる。続いて曲。昨日の記事にも書いたとおり新しい曲はなかなかコツを掴めなくて少ししか書けなかった。だから必然的にワンマンは持ち曲をほとんど全部演奏するしかなかった。しかしリストアップしてみると意外と曲があることに気づく。その時点では14曲。『GUERNICA』と『友情讃歌』は入っていない。『GUERNICA』は個人的にとても好きな曲でアレンジも大分変わったしやりたかったのだが、このセットリストの中ではどうしてもこの曲が流れを切ってしまうんだ。それだけはどうしても避けたかった。なぜかはまた後で書きます。『友情讃歌』は高校の頃組んだバンド(に関しては昨日の記事参照)で作った歌。この曲はマネージャーが過剰にプッシュしていた。確かに俺もこの歌は好き。思い出がある。高校三年生の最後の文化祭で後夜祭にこの曲を演奏した。一年に一度しかない文化祭は、毎年学年が変わっていくから同じメンツでやることは二度とない。そこで俺は思った。このメンツでやる一度きりの文化祭だからこそ、みんなで一つになる瞬間が見たい。それが俺の曲で出来れば、俺は最高に幸せなんじゃないか。。。そう思って、その為「だけ」に作った歌が『友情讃歌』だった。思いは達成された。少なくとも俺はそう思ってる。みんなが俺の後に続いて、俺が作ったメロディを大声で歌ってくれた。みんなが一つになった景色がそこにあって、今まで見たどんな景色より美しい、こんな景色二度とは見られないよと思うくらい美しかった。嗚呼。。。。。。。と、すっかり思い出に浸ってしまいましたね。いけねいけね。(笑)だから今やるようなモンじゃないと思った。マネージャーの言い分もわかる。この曲はみんなと一つになれる。わかってる。ただ『友情讃歌』その高校の思い出の為「だけ」に書いた曲だから、いざワンマンで歌詞を噛みしめながら歌うことはきっと出来ない。曲に説得力がなくなるよ、それだけを考えてひたすら拒んだ。NICO Touches the Wallsはこういう音楽をやってるんだ、それが一番まとまって見える大事なライヴなんだから尚更。だけどマネージャーは「その日だからこそやれると思う」そう言った。その時にふと『成人前夜』というライヴタイトルを思い出す。成人前夜ってことは、まだその日は未成年ってことになるのか、、、そうか、じゃあその日はなんでもありだ!吹っ切れた。完全に。実際セットリストを考える為に持ち曲全部を並べてみたとき、あまりにそれぞれの曲の振れ幅がありすぎて落ち込んだ。スタイリッシュなバンドをやりたくてNICO Touches the Wallsを組んだのに、どいつもこいつも曲のスタイルがバラバラじゃないか、、、。でもその夜は『成人前夜』なんだから、まだ未成年なんだから、やるだけやりゃいいじゃないか。そして自分の中でようやくテーマが決まった。一年半、もがき苦しみながらも生み出してきた曲達を、それぞれが一番輝く方法で堂々と見せよう。そしたらこの一年半もきっと報われる。メンバーにもその意向を伝えると、威勢の良いリアクションが返ってきた。よし、気持ちは準備完了。あとは練習あるのみ!ここからはいくらか技術的な面にも触れていく。まず本番は結局ギター陣二人は自分のアンプで行くことに決まった。古くんはリハーサル開始早々からマイアンプでバリバリ鳴らしていたが、俺は最初なかなか音が決まらなかった。アンプでどうしても気持ちいいクランチサウンドを作ろうとすると、俺のVOX AC30はワンヴォリュームだから俺の音がでかすぎて他の楽器とのバランスがめちゃくちゃ悪くなる。じゃあエフェクターで基本の歪みを作ろうと試みたけど硬い音になってしまってこれじゃAC30を使う意味がまったくないじゃないかと。それで一旦、普段ライヴで使い慣れているJC120に戻してみた。音はやはりトランジスタの冷たい感触になってしまうが、アンサンブルの混ざりはまだ良くなった。そしてその間AC30である試みをしてみた。ベースをAC30から出してみよう。実はこれ、CDに収録されている『病気』で既にやっている。ジャズベを直でAC30に突っ込んでほどほどにドライヴさせると60年代のロックミュージックのようなたまらない音が出るのだ。それがあまりにその曲の雰囲気にピッタリ来たので、それをじゃあステージでも再現してみよう、と。ギターアンプという構造上AC30ではどうしても足りないローの部分を普通にベーアンで出して、音の芯をAC30で作る。まあもともとビートルズのポールだって最初はAC30にへフナーを突っ込んでいたわけだからおかしくなるはずはない。思惑通り「あの」音になった。それでやった『プレイヤ』がまた良かった。しかしJC120の音がどうしても冷たすぎて、アンサンブルで聴いたときに俺のギターだけ浮いて聞こえた。やっぱりAC30に切り替えたい、と来てくれていたローディーに相談。直のAC30の設定をもっとクリーンに近づけてやれば?といわれたのでそうしてみる。するとあら不思議、アンサンブルの混ざりが最強に良くなる。WATANABE(ローディー)万歳!クールな顔して本当に仕事人です。。。尊敬します。そこからはひたすら通す、通す、通す。5,6,7日と5時間ずつスタジオに入ったけど、最後の二日間は本当にひたすら通した。最初はなかなか演奏が揃わなかったけれど、常々当初のテーマに立ち返って挑む。そうしてリハーサルを重ねていくうちにある気持ちが出てきた。感謝。こうして一生懸命俺らの面倒を見てくれるスタッフに、そして何より一年半共に闘ったバンドメンバーに。俺が書いた曲にこんなに精一杯取り組んでくれている。自分も本気ですごく精一杯だったから、まわりの本気な姿に正直気づかなかった。でもふと気づいたときに、嗚呼、今回のワンマンライヴはみんなに対する感謝の気持ち、これだけでいこう。新しいテーマが自分の中に出来た。そして、あまりに自分がやっていることに精一杯で、ギリギリまですっかり考えていなかったチケットの売れ行きも、7日のリハーサルが終わった時点で170枚くらい売れているという報せが届く。200が正直言えば目標だったが、それでも170人はすごい。170人が俺らの演奏を見るためだけに一ヵ所に集まってくれるんだから、、、やることはやった。あとは本番を残すのみ!、、、どうでしょう、ちょっと疲れました。というのはウソ。妹がテスト勉強するそうです。。。(いけね)しかし思った以上に長文になってしまった。前後編に分けます。(笑)次回、●『成人前夜』を完全なる自我の観点で振り返る(後編)明日の更新を目指す。