昨晩は、ある種の極みに達しながら、淡々と済ませた印象があった。



去年春、NICO Touches the Walls結成を決意し、

僕は歌詞を書くことを嫌がった。

音と音を絡ませるその瞬間、その場の勢いで浮かぶものを大事にしたかった。


しかしその裏で、言葉という楽器を巧みに使用するアーティストらの、

素晴らしい演奏の数々を目にして、耳にした。

安定の裏にひしめく緊張感、言葉に追われる焦燥感、

しかしまたそれを黙って認めるアーティストの表現力。

それもそれ、僕は僕の理想とするイメージに近いと判断するに至った。



しかしそれは未だに、僕の中で完成しない。

むしろ昨日は全てを諦めなきゃ先に進めなかった。



人生、諦めも肝心。とはよく言うものだが、

ここで諦めて、一体何が見えるというのか。





夜明け前、行方知れずの僕は、


君を奪って、


震えた。






『行方』