なかなか人には伝えにくい、不妊治療カミングアウト問題。
個人的には、夫婦二人で抱えていた頃よりも、身近な人たちに知って貰ってからの方が、気持ちが楽になったと感じている。
私の場合は、こんな人たちに、こんな順に話しましたという実例をご紹介します。
私が婚活を始めた理由=出産のリミットを意識して結婚を焦ったことを両親は知っていた。
だから、結婚当初から、私の懐妊を期待していたと思う。
結婚半年で「妊活はしているのか」と母から探りが入りはじめたけれど、当時私はセックスレス真っ最中。
まだ夫と合体すら出来たことがないなんて到底言えず、「まだ生活ペースが掴めていないから」と答えていた。
結婚2年目ともなると母の探りは威力を増し、「病院に行ってみたら」とか「不妊は恥ずべきことではない」など言い出す。
当時私はまだまだセックスレス真っ最中。
私たちまだ夫婦になれていないんですとは勿論言えるわけもなく、「二人で真剣に考えているから」とお茶を濁す。
クリニックに通い出してからは、通院していることだけ伝えていた。
体外受精にステップアップしてからは、治療の段階もうっすら伝えている。
クリニックに提出する凍結保存の同意書に、夫婦以外の保証人を書く必要があって、父の名を借りるために話した。
なお、両親は最近、初孫ハイ(デキ婚した弟夫婦のところにかわいい男の子が誕生した)と化しているため、私たちの不妊治療にはあまり触れてこない。
弟に先を越されて悔しいというよりむしろ、両親の気をそらせてくれて助かっている。
私の母経由で、義両親が心配しているという情報は結婚半年頃から聞こえてきていた。
けれど、義両親から私たちに直接何かを言ってくることはない。
クリニックに通い始め、人工授精に取り組んでいる頃に、義両親にもきちんと話したいと、夫に伝えた。
夫が何かのついでに話しておいてくれることになった。
夫がどう伝えているかは分からない。
私、普段街で妊婦さんや子連れを見かけても微笑ましいと思うだけで、その人たち対して特別な感情は沸かない。
私の人生にはなんの関係もない赤の他人だし、もしかしたら、幸せそうにしているその人も不妊治療で苦労したクチかもしれないし。
けれど、初めての人工授精で陰性だった直後に義実家へお盆の帰省をした時は、子連れで帰省する人たちだらけの新幹線で、ひどくダメージを受けた。
私も義両親に孫を抱かせてあげたいのに、今回もまだなんの予兆すらないのが辛かった。
マイナス思考な時は、義両親から恨まれているかもしれないと考えていた。
にこさんは結婚前に子宮筋腫の手術をしていたし、出来にくい体質なのねと思われているのではないかと。
でもでも、ようやく膣内射精が出来るようになった今年7月までは、そもそも妊娠の可能性はなかったわけで、どちらかといえば夫が原因で未妊なのに!私のせいじゃないのに!と内心思っていたから、真実を知らない義両親に恨まれているかもしれないのが、苦しかった。
その後、人工授精を3回してカスリもしなかったので、自分にも原因がありそうだと分かって、不思議と気持ちが楽になった。
ED由来のセックスレスだけが原因じゃなかったから、こっそり内心で夫を責めていた気持ちは成仏してなくなった。
次の義実家への帰省は、たぶん年末年始。
おそらく胚盤胞移植の判定が出ている頃。
明るい気持ちで帰れますように。