治療の段階が進むにつれ、卵胞の成熟度やホルモン値のスケジュールに合わせて通院しなくてはならなくなるので、仕事やお付き合いの都合も調整をお願いしなくてはならなくなる。

そんなわけで、実は親よりも早く具体的な相談をしたのが職場関係。

イチョウ一次上司

私より一回り強上の女性で、既婚子供なし。
明るく楽しく美しいA先輩。

卵管造影検査のために2日連続で半休をとった3月中旬に伝えた。
そうしたら、やっぱりねという反応(嫌な感じではなく、共感的な感じで)。
どんな段階?とか、旦那さんは協力してくれてる?とか、会話の雰囲気で、何となく、経験者なのかなと感じた。

10月、半期の面談の際に、体外受精にステップアップすること、少しでも通院を減らせるよう自己注射することなどを話した。
すると、A先輩も20年前に不妊治療をしていたのだと教えてくれた。
A先輩は、自己注射は怖かったから定時後に通院していたのだとか。
私はA先輩の旦那様のことも良く知っているので、あまり詳しく聞いては悪い気がして、それ以上は聞かなかった。

こんな身近に、経験者がいた。
特に何か相談するわけじゃないけれど、同じ気持ちを乗り越えてきた人が身近で応援してくれていることが、とても心強い。

イチョウ二次上司

50代半ばの男性、大学生の父である、穏やかなS部長。

3月に伝えた時、まずは動揺の反応を(いきなり女性からそんな相談されたらテンパるだろうね、スミマセンタラー)、そしてそれを隠すように、会社でも何らかの補助が出るかもしれないから調べておくと言ってくれた。
そんな情報はとっくに調査済みなんだけど、部下のために何か力になりたい気持ちがダダ漏れのS部長の反応に、ただただありがたかった。

また、来年度の昇格対象者として人事に私を推薦してくれていることを教えてくれた。
治療がうまくいく=職場に欠員が出ることになるけれど、それでも公平に仕事の中身を評価してくれるとのこと。
治療のために急な休みが増えると相談しているというのに、本当にありがたい。

10月の面談の際には、中長期的な人員計画シミュレーションを話してくれた。
あと2年で定年予定のおじさんが再雇用を希望しているけれど、ポストオフで仕事量も責任も減るので、一人増員を考えていること。
私が産育休に入る間の増員として来てもらって、私の復職後はそのまま再雇用のおじさんの後任として働いてもらう算段なのだとか。
正直、私の産育休がいつのことになるか分からない段階なので、ちょっとプレッシャーではあるのだけど、私のキャリアの将来まで考えてくださって、とにかくありがたいこと。

突発休みが増えてご迷惑をお掛けしているけれど、仕事の中身で貢献して恩返ししたいと思っている。

イチョウサークルのリーダー

私が会社で属しているサークルのリーダーで、私の一回り上の女性、既婚子なしのF先輩。
ちょっと天然の、可愛くて優しい人。

サークルは団体競技なので、私の練習参加率が下がると迷惑を掛けてしまう。

7月、妊活を始めたので今後レギュラーから外してほしいこと、ただサークルの運営に関する業務にはこれまで通り参加させてほしいことを伝えた。

F先輩「スケジュールは?」
にこ「え、えーと先週人工授精したから、来週あたりに着床したかどうか分かる…かな…」
F先輩「そうすると、予定日はいつくらいになるの?」
にこ「えーと…4月かな…」
F先輩「そしたら、産休入るのは2月末くらいか。なら次の大会(2月初旬)には参加できるね!」
にこ「まずは今回着床すればの話ですけどね…?

それからしばらく、サークル活動で私が重いものを持たないように気遣ってくれたり、完全に、妊婦さんへの対応。
もしかしたらF先輩、人工授精すれば高確率で出産まで至ると思っているかも…?

約1ヶ月後、F先輩から「体調はどう?順調?」と聞かれた。
やっぱり、私のこと初期妊婦だと思ってるー!
丁重に、人工授精で成果が出るのは健康な若い男女でも2〜3割程度だということ、私は高齢なのでたぶんもう少し確率が低いだろうこと、何回か挑戦するつもりであることを改めて説明した。
あたたかく応援してくれているのに成果に繋がらず申し訳なく思った。

身近に不妊治療をした人がいなければ、世の中はこんな反応を示すのかと勉強になった一例。

イチョウその他同僚

私の業務は、 毎日9時12時15時と5・10日にルーティン作業がある。
なので、休みを取る場合は極力5・10日を避け、チーム内の人に引き継いでおく必要がある。

体外受精にステップアップし、5・10日でも休まざるを得ない状況が増えたため、一次上司・二次上司以外のメンバーにも、妊活のための通院であることだけ伝えることにした。
A先輩も立ち会ってくれるという。

会議室にまずは女性の同僚2人(ともに40代後半、高校生の母と既婚子なし)を呼び出した。
A先輩が話の導入を作ってくれ、私から告げた。
2人の反応は「そっちか!」
おめでたの報告だと予想したらしい。

続いて、男性の同僚2人(ともに50代、大学生の父と既婚子なし)をお呼び出し。
男性2人は、神妙に聞いてくれた。

これで、職場のバックアップ体制はバッチリ。
誤魔化すことなく堂々と(でも恐縮および感謝しながら)通院できる。

環境が整うって大事だね。
とても気が楽になりました。
応援・協力してくれる人たちに良い報告ができるように頑張らなくては!

あと一回、その他知人編に続きます。