前編からの続き記事。
手術台でスタンバイOKになった私。
室内には、看護師さんが3名。
3名の役割分担はたぶん、こんな感じ。
看護師Aさん:手術室と培養士さんの連絡役
看護師Bさん:先生の作業の補佐
看護師Cさん:私のバイタル見守り&私への声かけ役
9:05 副院長登場
まずは消毒。クスコを入れる動作が少々雑に感じたけれど、患者の負担が減るよう手短に済ませてくれたのだと好意的に受け取っておく。
他ブログ(他院通院者の)で消毒が痛いと読んだけれど、私はそうでもなかった。
ちなみに、自分の脈拍がいちばん速かった(と感じた)のは、この消毒の時。
始まる瞬間が緊張のピークで、あとはモニタで採卵の様子を見るのに集中していたからかもしれない。
次に局所麻酔。
Dr.「ちょっと痛いよ」
確かにチクっとしたけれど、歯医者で歯茎に打たれる局所麻酔ほど痛くない。
続いて、経膣エコー。
患者に向けてあるモニタと、先生が見ているモニタに同じ映像が映っている。
子宮内膜計測、11mm。
それから、画面には右卵巣が映る。
9:07 採卵開始
Dr.「では、はじめます」
えっ、麻酔効くまでに多少時間置かないの?と思う間も無く、採卵の針が刺さった感覚。
これもチクっとした程度で、それほど痛みはない。
看護師A「始めまーす!左でーす!」
Dr.「違う、右!」
看護師A「訂正します、右卵巣からでーす!」
な、何で間違えたし!!
一般的には左からなのか?!
なんて考えたら、気が散ったというか、緊張がほぐれたというか。
事前の勝手な想像では、卵胞をひとつ吸ったら針を抜いて、卵胞をシャーレかどこかに出して、また刺して…と繰り返すのだと思っていたけれど、そうではなかった。
ひとつの卵胞を吸ったら、またその奥の卵胞を吸って…と進んでゆくのだった。
途中から、患者側のモニタが培養室側に切り替わった。
看護師C「今、卵子を探しています。あっほらこの、黒い粒とか…」
モニタには、モヤモヤっとした卵胞液が映っている。
その中の黒い粒が管で吸われるのが見えた。
採卵針の管はそのまま壁の向こうの培養室に繋がっていて、リアルタイムで卵子探しが行われているらしい。
看護師A「8ml…9ml…終了でーす!5ml…6ml…終了でーす!」
吸われていると卵胞液の量を声に出して、培養士さんに伝えているみたい。
培養士「8個目発見でーす!………9個目発見でーす!」
卵胞液から取れた卵子数を数えあげてくれているもよう。
卵胞液を吸われるタイミングで、痛みがあった。
ただ、毎回痛いわけではなく、痛むときと痛まない時があった。
何が違うのだろう?
右卵巣が終了すると、同じ手順で左卵巣が採卵される。
左卵巣の後半、強めの痛みがあった。
Dr.側の、卵巣を映し出しているモニタを確認すると、奥の方の小さい卵胞を吸っている。
痛みに耐えて眉根を寄せていたら、看護師さんが声をかけてくれた。
看護師C「痛みますか?」
にこ「い″だい″…す…」
Dr.「もう少しだから!」
うん知ってる。がんばる。
最後の方、壁の向こうの培養士さんが16個目〜と言っていたと思う。
9:15 採卵終了。
歩いてリカバリルームへ戻る。
看護師「たくさん採ったので、2時間くらいお休みいただきますね。膣の中に止血のガーゼが入っているので違和感があると思いますが、まだそのままにしていてください」
ベッドに戻って、待合室で待っている夫にLINEする。
にこ『オワタ!16個取れたっぽい 2h休憩と言われた 外出してきたら?』
採卵後の興奮にまかせて中継記事をブログに書き込んだけれど、その後30分くらいは、強めの痛みがあった。
雑誌を読もうと持ち込んでいたけれど、ベッドと壁の隙間に落としてしまって点滴の管をつけている手では届かないし、痛くて読む気にもならず、フテ寝した。
小一時間ウトウトして目が覚めたら、痛みはなくなっていた。
そして空腹だった。
クリニックを出たらどこにランチに行こうかなと検索。
気になるお店をいくつか見つけて、夫とLINE会議。
11:30
そろそろ2h経つけれど、看護師さんが来る気配なし。
12:40
やっと来てくれた!
と思ったら、採血だけして去ってしまった。
13時すぎ
ようやく点滴が外された。
トイレで止血ガーゼを取り出して(手品の万国旗のようにピロピロピロと出てきて笑えた。先人の噂通りだ!)、着替えて待合室へ。
夫は結局、外出もせず、5時間近くここでぼーっとしていたらしい。
さっきLINE会議で決めたお店で、どのメニューを食べようかと盛り上がる。
13:40
なかなか診察に呼ばれない。
ランチのラストオーダー14時なのに!
診察が後回しになってもいいので、昼食のため一時間ほど外出したい旨を受付に伝えると、私達が呼ばれる番は次に迫っているという。
夫「次なら待とっか」
14:03 問診室へ
IVFコーディネーターの看護師さんとの面談。
*最終的に26個採卵できたこと(卵胞22個から26個!)
*ざっと見では、変性卵は見当たらないこと
*精液所見は全体量、運動率、高速直進運動率などすべて良好なこと
*通常、胚盤胞まで行くのは半数程度だが、それにしても10個以上の可能性があるが、凍結本数はどうするか(最終決定は20日の診察時でOK)
*採卵前後の採血結果に問題は見られないこと
*卵胞液を抜いたので一時的に卵巣は縮んでいるが、黄体化すると腫れる可能性があること(日常生活に困難をきたすほどであれば、次の診察日前に連絡をすること)
<本日からの服薬>
*セフゾン:感染予防の抗生物質。毎食後3日分
*フェマーラ:OHSS対策のホルモン剤。朝晩3日分
*カバサール:OHSS対策のホルモン剤。朝晩6日分
*中用量バファリン:血栓予防。明日から夕食後16日分
なお、このお薬分は今朝の支払いとは別料金で、次回精算
14:15終了
やっぱり、ランチしたいお店のラストオーダーに間に合わなかったー
やさぐれながら入ったお店で、上天ぷら定食を頼んじゃったもんね!
精液所見も卵子の数も優秀な成績だったので、夫と違いを讃え合いながら、そば茶で乾杯した。
せっかくなので平日の日中を満喫しておこうと思って、話題作の「君の名は。」を観て帰った。
帰宅してもまだお腹が空かないので、野菜鍋を作ってポン酢であっさり食べた。
そんな一日でした。
前後編分けたのに、後編がボリューミーすぎた
長編にお付き合いいただき、ありがとうございました。