我が夫は、奥手だった。
モテないタイプではないと思うのだけど…保守的な感じ?
交際を申し込んだのも私から。
キスしたのも私から(交際3ヶ月目)。
プロポーズは夫からで、結婚準備は着々と進むけれど、関係はプラトニックのまま。
ようやく進展したのは、子宮筋腫の手術でお腹に傷が出来る前の私を見ておいてほしいと話したことがきっかけで、交際6ヶ月目。
だけど、初めての性交は失敗で、挿入できなかった。
「疲れているみたいで…この歳になるとなかなか、ね」
そうだね、そういうこともあるよね。
次に機会が訪れたのは、それから4ヶ月後、同居初日。まさに、新・婚・初・夜☆
でも、この日も挿入出来なかった。
ま、仕方ないよね、引越し疲れしてるし!
3度目の機会は、結婚式当日の晩。新婚初夜リベンジ!
…やっぱり、挿入出来なかった。
でもでも、仕方ないよ、結婚式疲れたし!
その後、結婚式翌週の週末に試みたけれど、挿入できなかった。
その次の週末は私が生理中で機会なく、そのままセックスレス生活のはじまり。
だいたいまず、イチャイチャムードにならない。
・夕食後夫がインターネットしていると思ったら寝落ちしていて、起こしても起きないパターン
・夫がおふろで寝てしまい、何時間も出てこないパターン
・なんとか共に消灯することができて、夫の布団に侵入するも、腕枕しながら寝てしまうパターン
…基本、夕食後は起きていられない人なんだと、結婚してから知った。
こんな調子で結局、結婚1年目の性交の機会は、3〜4ヶ月に一回程度。
イチャイチャしても、互いに舐めあって気持ちよくなって、それで終了。
どうしたら良いのか、分からなかった。
ED由来のセックスレスについてネット検索しても、「男性は非常にデリケート。パートナーからEDを指摘されたりなんかしたら、もう一生できなくなりかねない」って情報ばっかり。
しまいには「排卵日が近付いた妻が色気を出して誘ってくるのが恐怖」なんて情報まで。
なんということでしょう、妻がセックスしたがること自体が苦痛だなんて!
結婚前、どんな親になりたいって話し合ったよね?
物件を探すとき、待機児童の少ない地域から選んだよね?
結婚した時点で私が36歳で、高齢出産になるって知ってるよね?
毎朝基礎体温つけてるの、見てるよね?
それなのに、まさかセックスレスでつまづくなんて!
結婚から一年間、ほぼ毎週末が何もなく過ぎてゆき、やるせない思いだった。
排卵日が来るたび、精子と出会う機会すら与えられず卵子が排出されてゆくのが悲しくて、こっそり泣いた。
そして私は37歳に突入し、結婚二年目を迎えた。
誕生日に欲しいものを夫に問われたけれど、赤ちゃんとしか思いつかない。
けれど、そんなこと言えなかった。
自分がEDかもしれず、誰より傷付いているのは夫本人なのに、そんなプレッシャー与えられない…。
八方塞がりの状況が打開されるのは、昨年11月。
会社の後輩のおめでたを知った。
結婚式の直後に妊娠が分かったのだという。
もともと結婚願望も出産願望もなかった子だけれど、「愛し愛されることを知り、二人にとって必要なタイミングでやってきてくれた」のだと、SNSに綴っていた。
後輩を祝う気持ちよりも先に、ただ羨ましい、妬ましいという気持ちが湧いた。
これまで先輩面して結婚について説いていた自分が恥ずかしくなった。
そして、そんな自分を醜いと思った。苦しかった。
私には何が足りないの?私達に必要なタイミングはいつ来るの?今すぐ欲しいのに!
自問しても答えは出なかった。だって、セックスしてないんだもの、授かるわけがない。
私の泣き腫らした目を見て、夫は異変を感じたようだ。
心配して尋ねてきたので、後輩のおめでたを知って動揺し、妊活したいことを話した。
そしたら、驚くことに
「実は、泌尿器科に通っていたけど、ダメなんだ」
「にこに、ずっと話さなくちゃと思っていた」
とか言うの。
話してよー!ずっと悩んでたのにー!
ただEDの可能性から逃げていたのではなく、夫なりに考えて行動してくれていたことを知って、少し落ち着いた。
(それにしたって、私が思い詰めて泣き腫らすまで一年間打ち明けてくれなかったのは恨めしいけど!←夫には言えない)
これから二人で、妊活に向けて行動していこうと話し合えた。
大きな第一歩。