調査の力というサイトがあって、暇なときがあれば私は色々とリンクをたどって開いている。
その中で見つけたこれ。
2014年度新入社員の会社生活
http://chosa.itmedia.co.jp/categories/business/51812
産業能率大学資料
http://www.sanno.ac.jp/research/pdf/fresh2014.pdf
産業能率大学が統計を出しているこの調査。
この大学はよく聞くが、何を教えている大学かはよく分かっていない私。
新入社員の意識なんて昔からそんなに変わらないだろとは思った。
しかしちょっと危機感を覚える結果が(実際には私はそう思ってないが)。
「最終目標が社長」・・・過去最低
「終身雇用を望む」・・・過去最高
など、保守的な傾向が見られる。
私が大学を出て就職をしたときは確かに氷河期と言われていたので公務員を目指すなどの傾向はあったが、独立起業する、ベンチャーに入って成功するなど夢を持ったやつもいた。
まあ無理もないかも知れない。
世の大人たちは「国内にとどまらず世界へ出て行け」と豪語するがまず今の温室育ちの若者には難しい話。
野心、野望、ガツガツ、ギラギラしているやつでないと海外に行ったところで収穫なしで帰ってくるのが落ち。
それに周囲の大人たちは「大学を出て公務員か大企業になれ」と散々言っている。
そして将来の見通しが暗い日本。
これはもちろん大人たちが怠惰ってことではなく、新興国の追従もあり特に電機やITは食われている、また日本の少子高齢化の構造的な問題が根に深い。
内向きのままでは日本という沈み行く泥舟に相乗りしただけになる。
誰かが歯を食いしばって外貨を稼ぎに行かなければならない。
一部大手企業では春闘でベースアップを獲得する動きが見られるが、これは為替の恩恵が大きい。
反対に今まで怒涛の勢いだった韓国企業はウォン高に苦しめられている。
為替だけでは根本的な解決には至ってないのに、強気な昇給アップが出ることに不安を覚える。
外貨を稼ぐ時代に右肩上がり経済は約束されていない。
私が思うのは内向きな人材でもいいけれど、年功序列や定期昇給は味わえないので、社会に出てから思っているよりも稼げないよと。
私も社会に出る前は割りと上昇志向は強くないほうだった。
けれど30代になってから意欲が出てきて、勉強もしたくなったし、会社でのポジションも気にするようになったし、自分がどんな武器を持っていてどう駆使すれば給与を増やせるかも気にしだした。
上昇志向の弱い考えは、時とともに変遷していくだろう。
この産業能率大学の調査で日本の若者がこれじゃまずいだろ!と思わないのはそこ。
結局スタートラインの調査は競争をあまりしていない、保守的な育ち方をしてきたからこそ出た当然の結果。
社会に出てそこから化けるやつもいるだろうし、変わらないやつもいるだろう。
上昇志向がスタートラインで低いからって能力が低いやつばかりとは思わない。
会社に入って自分の会社が置かれている状況が厳しいかを悟ったときに何を感じるか、周りの人間はなんで必死なのかを理解し始めると変わっていくんじゃないかと思う。
もしどうしても入った会社に合わないでやめてしまう事態が生じてしまうこともある。
転職は私は割りと肯定的。
それは転職してから伸びる可能性も大いにあるから。
言い換えれば、いかに自分が甘かったか、世の中が厳しいかを知るチャンスである。
つまり自ら荒波に飛び込むわけで、そこから這い上がるのは容易ではない笑
昔だったら事務10年やってました、営業で10人の部下を5年やったマネジメント経験あります、などの経歴で割りとすぐに求人案件とマッチングしていた。
今はそれが書類審査の第一関門突破の材料くらいにしかならず、あとは求めるポジションの人物像に近いか徹底的に面接で詰めていくことになる。
キャリアを生かして転職しても給料が上がるなんて1割いるかいないかと言われているので、慎重に。
また未経験職種に転職の場合は20代ならともかく、30代以上はとてつもなく厳しい。
書類の段階でスーパーマンと伝わってこないと一瞥されただけで弾かれてしまうでしょう。
書類が通っても新卒入社並みの自己分析が必要で、なぜ職種を変えたいのか?なぜ?なぜ?と徹底的に詰め寄られるはず。
人事や役職つきの人が納得し、さらに上の階級の人も納得させる材料がなければいけない。
それだけキャリアを変更するってことは社会においては奇異な扱いを受けると言える。
そして入社後も社会人経験という飾り以外のキャリアは捨てているので、今の時代は新卒に毛が生えたくらいの基本給くらいしかもらえない。
丁寧に新卒みたいに研修やOJTをしてくれる話も少なく、自力で必死こいてがんばるしかない。
2015年度入社する大卒、短卒、高卒の内定率はバブルに迫るという話も聞く。
ただ先ほども触れたが、少子高齢化に加え大卒の卒業者の数に対してホワイトカラー職が少ない。
ブルーカラー職への早めの転向でキャリアを若いうちから積むのもありだと思う。
ホワイトカラー職のデフレ化は今も続いており、転職市場の単価はこの好景気でも年々下がっているという話。
例えば経理職10年くらいのキャリアの人なら年収500万円で10年前なら来てくれてたけど今の転職市場なら450万円でも来てくれますよ、ということ。
それだけキャリアがある人がちょっと低い求人にも食いついてきて、それよりキャリアの無い人はさらに下の求人に行くしかなくなる。
トップの(安定ではない外資はともかく)大手企業の求人がシビアになっていくほど下位の求人に余波が広がる。
年収300万円の弁護士がぼこぼこ誕生している昨今、何が正しいかは分からない。
ブルーカラー職で若いうちから鍛えていけば下位~中位のホワイトカラー職よりは生涯年収は上回るだろう。
今後は間違いなく需要が増える福祉関係、介護関係、医療関係。
どれも肉体的、精神的にきついし、給料に見合わないという声が現場から上がる。
無理にきつい仕事に従事するよりかは安月給の事務職でのんびり食っていくのもありだとは思う。
いずれにしても自分で出来ること、出来ないこと、やりたいこと、やりたくないことを見極めるのがいいと思う。
大企業に入って、ぶら下がってみたいな人生設計を考えてると今後の社会人人生において行き詰って身動きが取れなくなる恐れがあるのだ。
PS
余談だが前に転職のエージェントの人と話をしたときに公開求人と非公開求人の違いを聞いたら正直に答えてくれたことがある。
エージェント「公開求人は飾りです。企業が広告として出しているものと、使いまわしの求人です。」
おいっ笑
エージェント「基本的に紹介できるのはメインで扱っている非公開求人です。あ、けれど公開求人でも求職者が興味もたれたなら僕らのほうで企業様に営業かけて募集ありませんか?って聞いてくるので遠慮なく言って下さいね」
・・・
人材紹介会社(エージェント)はキャリアのある人ならかなり使えるので、いいとは思いますけどね。