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久しぶりにハマって読んだ。
文庫本だけど装丁も良いね。

自由律の俳人 尾崎放哉の最晩年の小豆島での8ヶ月を書いた小説。
帝国大学を出た超エリートだった放哉が酒に溺れ財も家族も自ら捨て、死に場所としてたどり着いた小豆島。
結核を患い、いよいよ厭世感に囚われた時は、大好きなお酒を飲んで、大好きな目の前の海に包まれてしまおう。と。
身体の痛み、孤独と生活に窮しながら書き綴る句は、死が近づくにつれ更に冴え渡る。


「いれものがない両手でうける」
「障子を開けておく海も暮れきる」
「肉がやせてくる太い骨である」

何か人並み外れて秀でた才能がある人間はかなり人としてダメダメでも他人を魅了し、
後世に名を残すのだなあ…

ちなみにこの小説を書いた作家、吉村昭さんは私と同じ日暮里の出身。
実家に父が所有した、彼の著書がたくさんあったが今まで読んだことがなかった。
これを機に、他の本も読んでみよう。


そしていつの日か小豆島に、行きたい。
大好きなキーフォトチームの宮ママもいるしね。