ニックが若かりし頃


ピンポーンと

(本当にそんな音だっけ?)

家のチャイムが鳴ると


フローリングが滑るなんて気にもせず

すごい勢いで、吠えながら

玄関に走って行きました。


だから、ニックを押しのけて

ドアを閉めてから玄関に出ていたのです。


たまたま

その時は閉めが甘くて

隙間からニックが出て来れたのだと

思います。


とにかく、

ハンコを用意して

荷物を置いてもらおうとした時に

ニックが吠えて飛び出してきたのです。


その一瞬

宅配のお兄さんが

(でもアラフォーだなぁ…)

ニックに顔を近づけて

「君の荷物なんだよ!」って

優しく話しかけたのです!


ニックにとって

想像もつかない事態に

驚きのあまり

尻もちをついたのですびっくりマーク


まるで漫画の一場面の様に

綺麗に後ろにふんぞりかえって 

プーさんが座る姿勢になってからの

(亀がする様に)手をバタバタして

ようやく元の姿勢に戻れました。


2人の(1人と1匹?)

一瞬の出来事に

間違いなく

ニック母は口が開いていたと思います。


ようやく我に返って

ニックを部屋に押しやり

お兄さんにヘラヘラ笑いかけて

ハンコを押しました。


荷物はドッグフードでした。


この時思ったのは…


お兄さん、ちゃんと

伝票に書かれている中味が何か

確認して届けているのね。

(当たり前なのかもしれないけど

 考えた事なかったです。)


そして、いくら犬好き?

犬を飼っている? としても

よその犬が吠えて向かってくるのに

幼児に話しかける様に

目線を合わせて

顔を近づける、ってすごいなぁと。


そして

何よりもニックの方です。


その一件以来

面目丸潰れニヤリ


勢い良く吠えて向かっても

「はい、はい。

 一応のポーズね🖐️」って


ドアは閉めるものの、

しばらく笑いものにされてました。


今は、チャイムが鳴っても

義理でちょっとは吠えるものの

立ち上がりもしません。


不思議なもので

あのお兄さん

あれから荷物を届けてくれなくて

一度きりの配達でした…


今でも

よその犬にひるむことなく

配達を続けているのかなぁ…?


我が家は

今でもドッグフードは

届けてもらってますよ。


あんな事は一度きりですけどね。