先日、【バルタザール・グラシアンの賢人の知恵】という著書を読んだ。
そこに書いてあったうち、私に引っかかったものを書き収めておく。
引用:
028 他人に寛大でいる
利口な人はつまらない傾向に陥りがちだ。知恵がつけばつくほど、無知な人に対して我慢できなくなっていく。いったん英知の味をおぼえると、知の不足に満足しがたくなるのだ。
人は、直近に起きた出来事に大きく感情を揺さぶられてしまう。例えば、友人との旅行の最中に財布を無くしてしまえば旅行中ずっと財布のことを考えて不安になり、素直に旅行が楽しめなくなる。また、恋愛がうまくいっていないときには全てがうまくいってないように感じてしまったりする。それと同様に、新しい知識をつけた時にはあたかも周りの人全員がその知に達していないように勘違いし、心の中で嘲笑ったりしてしまうものだと考えている。
もしあなたが尊敬している人がいて、その人の本に「無口であれ」と書かれていたとする。
おそらくあなた次の日、多少なりとも口数が減るだろう。誰かに意見を求められても、寡黙を貫きさえするかもしれない。
昨日までは何も考えていなかったのに、その本を読むだけで明らかに行動が変わってしまう。
このように、人の行動はたった一つのきっかけで大きく変わってしまう。
では、新しい知識をつければつけるほど、周りから疎まれる存在になっていってしまうのか。
その問いの一つの答えが、冒頭で紹介した「他人に寛大でいる」ことだと考えた。
人が新しい知識をつけるために、まず「他人に寛大でいる」という知識をつけるべきなのかもしれない。
目の前に何も考えていなさそうな人がいても、心の中で嘲笑っておけば良いのだ。
もっとも、目の前にいる”何も考えていなさそうな人”があなたよりも高次元の思考を繰り返している可能性もある。
逆に嘲笑われているのはあなた自身かもしれない。