ヒトは曖昧である。曖昧さは面白い。しかし、曖昧なヒトを中心に調査を進めるのはどうだろうか?
ヒトの歴史は評判が付きまとう。その人を好きだったり尊敬していると、そのヒトの虚実を交えて良いことばかり語り継がれる。逆に嫌われえていたら虚実を交えて悪いことばかり語り継がれる。
有名になれば戯曲や小説で取り上げられて、ますます曖昧になっていく。
そして、そんな曖昧で主観的な伝承を事実として受け止められる歴史を事実として受け止めていることが多いのではないだろうか?
その点、場モノの歴史は、ヒトに比べれば客観的だと思う。
新型コロナウィルス渦とオリンピックの中で話題にならなかったが、ラジオの放送が始まってから2020年で100年たった。
ラジオの放送が始まる前と後では、人々の生活は大きく変わったはずだが、2023年になった今でもそのことに日本語で触れた文献や放送には出会ったことがない。
そんなに小さなことなのか?
NHKは2025年で100年になる。
これはNHKラジオ第2放送好きには有名かも…
音声を伝える前の段階にあたる音声の記録という意味では1877年にエジソンが発明したレコードがある。レコードは円盤だと勘違いしている人も多いと思うが、このころに発明されたのは円筒型で音声を記録することが目的に作られた。ミシンの糸巻きのように足踏みのペダルのついた円筒形のレコードを聴きながら専任のタイピストが文字起こしをした。
口述筆記機(Dictating Machine) と呼ばれている
音声を文書として記録する装置の走りである。
レコードが発明される前はリアルタイムでタイプしていた。日本では馴染みがないがドイツでは1830年に発明された口述筆記用のタイプライタが発明されたらしい。これはステノタイプと呼ばれていて2019年ごろまで使われていた模様…
今はAIの音声認識技術が進んでいるから不要なのかな?
実際に見たことはないけれど、英語圏の映画などで裁判のシーンを見るとステノタイプで記録をとっている人がいる。
じゃあ、タイプライタは?って調べてみると1700年ごろからそれらしいものが発明されて英語圏で使われている。日本でもお馴染みのQWERTY配列は1865年ごろらしい。
活版印刷なくしてタイプライタは存在しない。グーテンベルクが1450年。
じゃあ印刷技術は?紀元220年ごろの中国らしい。
紙が無ければ印刷できないからね。紙は紀元2世紀ごろ、中国で発明されたらしい。
では文字を書く筆は?
紀元前2500年ごろらしい。
ここで、話を戻して速記の歴史は?
紀元前350年ごろのローマ時代から始まり、紀元前35年ごろから、普及したらしい。
速記は奴隷の仕事ではあったのだけれど、速記のできる奴隷は優遇されたとか…。
「時は金なり」と情報の鮮度を重視した人たちが2000年以上前には存在したことになる。
この間の人類の発展の歴史を紐解いて埋めていく方が征服者の名前を覚えるよりも面白いと思うのは私だけなのだろうか?
技術は積み重ねでしか発展せず、人間が作り出す技術なくしてモノは作られないし、発明品は需要から作られるし、なぜ発明されたか考える方が当時の人々の考えや生活が浮き彫りになると思うのだけれど…



