近所のスーパーに買い物に行った。普通はスーパーで流れている音楽といえば、魂の抜かれたショボい音。

ところが今日はいつもと違う音楽が流れている。最初、天井の方から 『ハァ~♪・ハァ~♪』 と

悩ましい声が聞こえてきた。何じゃ、こりゃ?と思って耳を澄ますとレイ・チャールズの

『What'd I say』 がかかっている。なんてファンキィなスーパーマーケットなんだ。



オイラが初めてレイを見たのは、映画 『ブルース・ブラザーズ』 だった。

当時小学生だったオイラは、楽器屋のオヤジ役としてレイが登場した時に、一緒に映画を観ていた

父親に 『父ちゃん、アメリカにもいかりや長介がおるばい。』 と言った。

父親 :『ばかちん、あれはレイ・チャールズっていう目クラの歌手たい。』 (父の暴言は謝罪します)

独特の身の動きと、目が見えないのに万引き少年にピストルを発砲するのを見て爆笑したのを憶えている。

まだ、ブルーズなんて知らなかったし興味もなかった頃だったが、映画はとても楽しく観ることができた。



レイの存在は音楽だけでなく、こんな感じで映画に出てくるところが好きだ。

レスリー・ニールセンのおバカ映画『Spy hard』にも、彼はバスの運転手役で出てくる。

ありえない役柄だが、彼のユーモアのセンスと気さくな感じがよく出ている。

普通にバスの運転をしているが、セリフを聞いたら大爆笑間違い無しだ。


レイのセリフ : 『The next stop is ○○○・・・・・ I guess・・・・』

つまり、 『次の停留所は○○○・・・・・多分ね・・・・・』 やっぱり見えてないんだ。


最初は、笑っていいものか躊躇するが、製作者側もレイも本気で笑わせようとしていることは

間違いのないブラックユーモアだ。



彼が亡くなる少し前には、ノラ・ジョーンズとの共演もあった。あれは素晴らしいと思った。

ちなみに路上で生活している野生化した 『野良なジョーンズさん』 ではない。



考えてみると、盲目のミュージシャンって結構たくさんいるもんだ。

思い出すのはカナダの白人ブルーズマン、ジェフ・ヒーリー。

学生の時だったか、社会人になってからは覚えてないが、彼が福岡にもコンサートでやってきた。

今はドリカムのマネージャーをやっている友人が、当時はプロモーターの仕事をしていた。

ヤツから突然電話がかかってきて、福岡でのジェフの通訳をやって欲しいと言ってきた。

理由は忘れたが、オイラはその話しを断った。んで、その役を買って出たのがオイラの兄。

空港での出迎えから、ライブが終わるまでの面倒をみたそうだ。(て言うか、ハナから通訳ぐらいつけろよ)

帰ってきてから話してくれたのは、目が見えないなんて信じられないという内容だった。

楽器と機材は何処?と聞かれたので、その場所に連れて行ったらしい。

すると彼は、全く同じ形のたくさんのギターケースを触って、ある一つだけを取り出した。

見えていても見分けがつかない様な同じケースから、自分が必要なものだけを分け出しているらしい。

思わず、『何で分かるの?』 と聞いたら、『何で分からんの?』 と言われて笑われたらしい。

思うに、彼らにとって目が見えないことはハンディキャップなんかじゃないのだろう。

ハンディと決め付ける所謂健常者のおごりがあるのかも知れない。良くないことだ。



もう一つ思い出したことがある。(相変わらず長げーな、オイラの記事)

17~18年ほど前に、アメリカのテレビ番組で両腕の無いギター弾きが出ていた。

彼は、椅子に座って足でギターを弾く。足元に置かれたギターを両足の指を使って器用に弾いている。

驚いたなんてもんじゃない。物凄く上手いのだ。彼がプロのミュージシャンなのかアマチュアなのかは

全く覚えていないし、名前も知らない。

誰か知ってる人がいたら教えて下さいな。(確か白人だったと思う・多分英語をしゃべってた)