オイラは小柄でケンカなんか強そうには見えない。

しかし、2000年の空手トーナメントで日本で優勝した男だ!(大ウソですよ)

こんなウソを信じて、毎日空手の稽古に励んでいる連中がオーストラリアにいる。




昨年の8月、仕事の関係で丸一ヶ月ほどオーストラリア・ヴィクトリア州の小さな町に滞在した。

滞在期間中には現地の人たちとも仲良くなり、殆ど毎日のようにビールやワインを飲んだり、

ホームパーティなどに誘われて楽しく過ごした。

ちなみに仕事はハードでした。ずーっと遊んでたわけじゃないんすよ。




現地の空手道場の師範と仲良くなり、一度道場に夜の練習を見に行ったことがある。

この男、極真で4段の腕前。ただ、真顔でとんでもない冗談をかます男でもある。

指導者も門下生も全てオーストラリア人だが、ちゃんとした極真空手の道場だ。

オイラは寒い中、一番後ろのベンチに腰掛けて練習が始まるのを眺めていた。

挨拶・準備体操・黙想が終わると、師範代がその日の稽古内容や注意点などを説明。

その時に、いきなりオイラを門下生に紹介し始めた。




「今日は日本から2000年・日本チャンピオンの先生に来てもらいました。


     本物の武道家が見ててくれますので、気合を入れて練習すること・・・・・」



慌てて立ち上がり、何てことを言うのよ!って顔をすると


「いや、挨拶は結構、後ろで見てて下さい」 ってな感じだ。



しかも、道場の全員(60名ほど)がオイラの方に振り返って



「押忍っ!」


仕方が無いのでオイラも



「お..押忍っ!」

                   



その後の稽古は、初心者や中級者・上級者に分かれて、それぞれに先生がついて行われた。

広い道場の全体を使うため、一番後ろに座っているオイラの前でも初心者の子供達が

基本突きの型をやっている。日本の黒帯先生が見ていると信じている子供達は

オイラの前ではかなり緊張した様子だった。

こっちも普段はだらしなく猫背で座るタイプなのに、しょうがないので膝に拳をのせて

背筋を伸ばしてキリッと座っていた。妙に疲れた。

結局、最後までホントのことを言ってくれなかったので、殆どの人がオイラが空手の達人だと

信じ込んだまま帰ってしまった。オイラはこの日、生まれて初めて空手の道場に行ったのに。

東洋人は小さくても強いヤツがいる・・・・・と信じている外国人は多い。