これであなたもイギリス人になった(ような気がする)

イギリスドラマがとても楽しい。
すこぶる楽しい

大体のドラマは面白い

イギリスは、とても日本に似ている

島国で王族がいて、伝統を重んじ
見栄やプライドが高く
周りにどんな風に思われるかを、うざいくらい気にする国民性

まぁ、つまり、イギリスドラマは面白いということです。

それではニート生活を過ごしていた私が見たドラマでおすすめのものをつらつら書いていきます。
今も配信があるかどうかは、それぞれ調べてみてください。
Amazon、U-NEXT,Hulu,NETFLIXを契約していたので、それらのどこかには見られるところがあると思います。
一部、有料配信のものもありますが、お金払う価値はあるし、1か月無料とかもあるので、チャンスを逃さずにどうぞ。


①ブラウン神父
とりあえず、イギリスドラマといえば私の中ではこれです。
ド田舎の教会の神父さんが、周りで起こる殺人事件を解決していくという話です。ここに出てくる教会の経理をしているマッカーシー夫人と、暇を持て余し時々不倫を繰り返すフィリシア伯爵夫人の掛け合いが見もの。毎度おなじみの、犯人当てられない刑事も出てきて、1話完結するパターンです。シリーズは9まであって、10も撮影される噂とか。個人的には、9まで全部視聴済み、なんだったら5回くらい繰り返し見たわ。とにかく、このドラマを見たら、この街を散策したくなる。イギリスの田舎の風景と言えば、私はこのドラマの世界を想うのです。百合も薔薇もさいてます。

②ニュートリックス退職刑事の事件簿
コールドケースのイギリス版っていう感じ。でも、そこまでドシリアスじゃないです。シリーズ途中でメインの役者4人中3人がいなくなり、途中からもはや別のドラマになりますが、天才で変人の刑事や、女大好きな刑事、真面目な刑事たちは、退職後だって活躍しちゃうんだから!!私には珍しく、おっさんばかり出てくるドラマですが、解決していくのが面白かったのでお勧めです。やっぱり百合も薔薇も咲いてます。

③コール・ザ・ミッドワイフ
助産師になりたての若き女性が主役です。プロテスタント系の教会の隣にある産院を舞台にしています。第二次世界大戦後の、まだまだ裕福ではないロンドン郊外の妊婦と、自宅出産を手伝う助産師、シスターや街の人など、人間関係や宗教観、人種差別や1950~60年代のサリドマイド被害など。出産シーンもリアルに描かれ、世の中のお母さんすべてに尊い気持ちになります。主役のジニー・レインという女優がどちゃくそ可愛いがシリーズの途中で別の病院に移ると言う形で降板していきます。百合も薔薇もばっちり出てきます。

④シェイクスピア&ハサウェイの事件簿
結婚詐欺にあった女性が探偵となり、でぶっちょのおっちゃんと事件を解決していくという、まぁよくある話ですが、舞台がシェイクスピアの街ということで、とりあえず全部見ました。なんていうか、コメディもあり、わりとのんびり楽しめます。ガンガンと薔薇が満開!

⑤ザ・スプリット 離婚弁護士
おかんも弁護士、自分も弁護士、妹も弁護士。女3姉妹とおかん、そして元彼や今の旦那。色々と訳ありな人間模様を描いていますが、いい加減シリーズ3をやって欲しい。次女の女優さんがめっちゃかわいくて、ずっと見ていられます。薔薇なんてガーデニング楽しめちゃう

⑥夜の来訪者
ドシリアスな、めっちゃ暗いドラマ。大きなお屋敷に住む家族の元に、ある1人の女性の死を知らせに来た刑事。その女性がどこのだれで、屋敷に住む住人たちとどんな関わり合いがあったのか。そして、刑事はなぜそれを伝えに来たのか……イギリスの、階級や見栄など目に見えないものへのプライドが人を追い詰める。言いようもなく心苦しくなるストーリーの最後に、どんでん返しが待っています。女優のソフィー・ランドルが大好きで、もう、ただ見ているだけでいい。この女優。大好き

⑦暗号探偵クラブ
声に出して読みたい女優。その名も「アンナ・マックスウェル・マーティン」が主役のドラマ。そして私が大好きソフィー・ランドルも出ています。第2次世界大戦のとき、ナチスの暗号を解読していた女性たちが、その知恵を生かして事件を解決していくというドラマ。1950年頃が舞台です。アンナ、ソフィーが降板後、舞台はアメリカにわたりますが、それもまた、面白いですよ。百合も薔薇も摘んでやってください。

⑧名探偵ポアロシリーズ
5匹の子豚というのが、特に面白いです。このドラマ、気を抜くとものすごく重要だったシーンを見逃してしまいます。とくに冒頭5分とかが勝負!みたいなのがあります。何より凄いのがカメラワーク。謎を解くために、1人1人の嘘をポアロが見破っていく、そのカメラワークが見もの。

⑨王室弁護士マーサ・コステロ
さらりと見れる弁護士ドラマ。イギリス人はあれですね、とりあえず同僚と一発やらないといけないんですかね。続き、さっさと作って!

⑩ダウントン・アビー
田舎にある貴族のお城。雇う側と雇われる側。上と下。タイタニック号が沈んだというニュースから始まる1シリーズ1話目。電気が初めて付いて、そのまぶしさに驚く貴婦人。
銀のペーパーナイフに、真珠のネックレス。屋敷の下ではメイドや下僕たちが走り回る。やがて第1次世界大戦がはじまり、激動の時代へ突入していく。男を生まなければとか、身分の高い男を見つけなければ、とか。貴族子女たちの努力の陰で、メイドたちはそれぞれに悩みを抱えて生きていて……。出てくるキャラクターが大勢いますが、その誰もが抱える悩みを時間をかけて丁寧に描いているとてもクオリティーの高いドラマ。もうすぐ公開中の映画は終わります。どうぞ、薔薇のトゲに気を付けて。

⑪ライン・オブ・デューティ
警察組織を監視する組織。腐り切った警察組織を正しくしていこうともがく主人公と、なかなかそうならない警察組織。誰が悪なのか、誰を信じていいのか。仲間は本当に正しい道を生きているのか。裏切られたり、裏切ったり。いまだに、結局、黒幕って誰なのよ!!って次を待ちわびています。最新のシーズン6のケリー・マクドナルドがどちゃくそにいい演技をしています。シーズン6はいい百合が咲き乱れています。そしてシーズン4くらいから、声に出したい女優「アンナ・マックスウェル・マーティン」が警視として登場します。大好き。シーズン2のキーリー・ホーズという女優さんも大好きっす。ボディーガードというイギリスドラマにも出てくるよ。見てね。

⑫第一容疑者
名女優 ヘレン・ミレン主役。今もこのドラマはどこかで配信してくれていることを願います。全体的にどんよりとしたねっとり進む刑事ドラマです。女優はこうでなくっちゃね。っていうのを見ていられます。

⑬アガサと殺人の真相・アガサとイシュタルの呪い・アガサと深夜の殺人者 3部作
アガサクリスティー自身が物語の主人公。殺人事件の犯人を見つけて欲しいと依頼されて、身分を隠して大きな屋敷に乗り込むアガサ。始まる謎解き。nickわくわく。

⑭シスター探偵 ボニファス
ブラウン神父の世界観のおよそ10年後くらいです。シスターさんが、科学捜査に協力をして事件解決をしていくドラマです。年を取ったブラウン神父が登場します!
1960年代の話ですね。普通に楽しいです。

⑮原潜ヴィジル 水面下の陰謀
原子力潜水艦で乗組員が死んだ。捜査に乗り込んだ女性警察官。ロシアなどに位置を悟られないため、たった1人で乗り込み事件解決へと向かおうとするが、次々に問題が発生する。このドラマ、何がすごいって……まず、主人公は普通に同性愛者。しかも別れたばっかり。イギリスのBBCだったかの取り組みで、スタッフ・キャストの女性と男性の比率を50:50にしています。そのほか色々な配慮を積極的にしているという試みがあり、このドラマが先陣を切ったようですね。原子力潜水艦という設定にもかかわらず女性が多く出てきます。そしてなぜアジア人がいるんだよ、っていうところに配役があったり。ストーリーも、もちろん面白いんだけど、何よりも、同僚の女性と別れたばかりで孤独な中、原子力潜水艦に乗り込む主人公の心情がとてもリアルです。別れた後も、それぞれ同じ刑事として、もう1人は地上で捜査を続けていきます。
私はですね、これを見ながらみちるさんとレイちゃんを書きましたね。まじで、お金払っても見る価値ありますね。ローズ・レスリーという女優さんは、「ナイル殺人事件」でメイドさんだった人(殺されたわね)この女優、推し。

あと、イギリスドラマでいえば

①イミテーションゲーム
②エリザベス ゴールデンエイジ
③否定と肯定(アメリカ映画かもしれん)
④The Queen
⑤アイ・イン・ザ・スカイ
ウィンストン・チャーチルも面白かった。
007は、ミッシェル・ヨーのボンドガール最高


とか、現代じゃない時代のものが好きかな。否定と肯定は今の時代だけど、戦ったのは昔のことなので。
本当はもっといっぱい見たんだけど、ぱっと思い出せないですの。

アメリカドラマでも、バンドオブブラザーズとか戦争ドラマ、何度も見たな。
あとシットコムドラマでいえば、フラーハウス


ネットフリックスの「クラウン」も2シーズン目まで見たんだけど、面白いって思うけれど、やっぱり今生きている人たちを描くのは
それがあたかも真実であったかのような描き方って言うのは、生きている人達を傷つけているのではないか、と思ってしまう。
史実の中にフィクションを入れると、あたかもそうだったかのように思えてきて。私はちょっと、面白いけれど、辛いかなぁ。


あと、やっぱり魔法使いサリーも最高だよね。全人類はこのアニメを見ないとだめだと思うよ。

他にもイギリスドラマいっぱい見たんだけど、ちょっと全部思い出せない。
ブロードチャーチとか、メグレ警視とかも面白かったよ。

とにかく魔法使いサリーを見るといいよ!!マハリクマハリタヤンバラや~ん


https://marshmallow-qa.com/nick_firered?utm_medium=url_text&utm_source=promotion
「愛そうか」愛せまい
「愛想か」 そんなものすらない
「会えそうか」約束もない
「愛想か」  愛し合わない

あいそうか
あえなさそうか
あいしそうか
あいせそうか

基本、せつなと美奈子は美奈子視点で書かれていることもあって、
せつなの心情については、あまり深く書かないようにしていました。
じゃぁ、この小説がその真相なのかと言われたら、これも一つの視点で
せつ美奈の世界軸も1つに絞っているわけじゃないのですが、この小説は「pray for me」の世界軸です。
美奈子とせつなの誕生日会が行われたあと、ふたりは色気はないシンプルなキスをするシーンをいれてあるので
その前段階の話、ととらえてもらえたら

せつなは「pray for me」でさらりと書いてある通り、前世を取り戻し戦士として目覚めた時に、結婚をしようと約束していた男と別れ
淡々と前世を受け入れていきます。みちるはヴァイオリンを捨てずに「ヴァイオリニスト」としての自分を守ろうとしますが、せつなは本当に
ただ、粛々と運命を受け入れています。その方がずっと楽なことだと知っていたのでしょう。

あの頃と違うのは、果てなくつづく孤独ではないということ。
だけどそれは、あの頃の孤独を認めることになる。

人は、他人がいて初めて孤独を知る。

せつなは、戦士として目覚めて初めて、自分が孤独な存在だったと知り、受け止めますが、ふとしたときに
どうしようもなく、この世界を生きることの意味がわからくなるのかな、と思います。

せつなは美奈子が抱える永遠に抱いた孤独に、哀れみを感じているのでしょう。

未来など簡単に変わるし、世界はあっけなく終わることもあるし、それでもたった一つだけ確かなものは
互いの使命。それは永久に魂を縛り付け、生かされている。

美奈子が誰も愛さないから
せつなは美奈子とSEXできるんだろうな。

愛さないし、愛せない


愛するゆえの孤独を抱いたヴィーナスと

孤独が何たるかを知り、受け入れるしかないプルートの

絶妙な感情は、いつか重なり合うかもしれないし、重ならないほうがちょうどいいのかな、と。



拍手コメント:執筆お疲れ様です。久しぶりのせつ美奈ですね。ふたりが唇を重ね合う日がくるなんて想像もしていませんでした。煙草を吸う一口目の、舌がピリっと焼ける刺激のようです。



コメントありがとうございます。あとがきがコメントのお礼です!煙草は精神的に楽になるのに、身体は傷ついていく。「愛そうか」「否、愛すまい」繰り返す呼吸は、吸うときは心地よく、吐き出される煙は不快。常に2つの意味があって、2人の裏腹な感じを煙草で表現したいと思ってたり。


追記(新しくコメントをいただいたので)10/16

清さん。

いつもコメントありがとうございます。
2人は根っこが同じなんじゃないか、と思うことがあって。魂にこびりついた捧げる愛しか知らず、それゆえに自分自身の存在に怯えているのではないか、と。
美奈子の方が愛野美奈子として生きている時間が短くて成熟していない分、荒々しい感情を見せるけれども、きっとせつなもまた、冥王せつなとしての生き方について
どうしたいのか、を考えあぐねているのか、と。

2人を繋ぐものは前世と煙草とSEXだけど、ふと、触れた唇に愛があればいいと思いながら、
愛はあなた(プリンセス)のためを誓うヴィーナスと、愛とは孤独なものだと見せつけられてきたプルートには
通い合う愛はなくてもいいし、ないほうがちょうどいいのかなって思うのですよ。互いを愛することは存在の崩壊です。

みちレイと正反対のようにみえて、実は互いを「縛らない存在」であることを縛り付けているせつなと美奈子の方が、
何か、言いようもない想いがあるんだろうと。思うのですよ。

























このタイトルは、テディ・ベアの視点からのみちるです。

今回、リクエストをいただいたのは、「台風」「停電」「濡れた肌」でした。

このうち「台風」と「停電」を消化しました。
小説の内容的には、別に台風の日じゃなくてもいいし、停電していなくてもいいんですよ。
ただ、ほたるに渡したテディ・ベアがあれば物語として成り立つといえば、そうなので。

ですが、今回は名探偵ポアロのように物語は2つも3つも同時にすすんでいるのです、ということを書いてみたかった(嘘です)

停電の中、ロウソクに火を付けてじわりとレイを想う話って言うのをなんとなく考えていたのですが、
ふと過去を懐かしむみちるは、どういう人生を過ごしていたのか、さらりと書いてみたくて。

で、これは私の中では必ずしも「セラエタ」の世界観じゃなければダメ、ということじゃないのでカテゴリは変えました。

色々な設定もあるけれど、幼馴染ではない海王みちるは、それなりに孤独を抱いて生きてきたけれど、死別や戦士である故というものではなく、
富と才能がある故に抱えた孤独の中を生きてきたのだろうと。そう思い書きました。
その孤独は、一般人からすれば贅沢な悩みで、みちるもそれをわかっているから、「孤独である寂しさ」を他人には言えずに生きてきたのでしょう。
贅沢な悩みほど、人に打ち明けられません。孤独を見せびらかすことは、美徳ではないからです。

海王みちるは、努力の結果、自らの腕で稼ぐ才能を手にし、命を差し出して守り抜いた新しい世界を生き、そして火野レイという最愛に出会います。
その成長過程において、唯一の友だったテディ・ベア。
不要になったのではなく、家族であるみちるでは埋められないほたるの孤独を癒して欲しいという、願いも込められて、プレゼントされます
(とはいえ、好きにしていいって言いながら、みちるはほたるが成長したらなんだかんだ、回収するつもりっぽい)

人は皆孤独で、たとえば台風の夜とか停電の夜とか、恋人が傍に居ない日なんかに、「私って孤独」というのを勝手に見せびらかすものです。
そして、孤独は他人が存在して初めて成立するものだと知った時、大人になるのでしょう(意味を分かってもらえるといいのですが)

これは、みちるの成長の話ですね。(セラエタ世界観が好きな人には、セラエタとして受け止めてください)



清さん
いつもコメントありがとうございます。

せつなと美奈子は、どの小説も基本的に愛し合うっていうか、美奈子が自分の欲を満たすような貪るSEXだと思って書いています。
pray for me の世界では特にそうですが、プリンセスがすべてであるヴィーナスにとって、この世界を生きる愛野美奈子って何なんだろう、って思いながら生きているところがあって。

ヴィーナスの名残で吸い続けている煙草=前世
せつなとのSEX=現世

みたいな感じです。捨てきれない前世を抱いて、2つの魂を抱えながら、美奈子がたどり着いた冥王せつなという人は
美奈子にとっては救いであり、赦しである存在だと思います。

でも「愛しあう」ことはしない。愛はたったひとりのためのもの。

SEXと煙草は交錯する愛野美奈子とヴィーナス。このあたりは、いつかまた小説にしてみたいなって思うのですが、なかなか進まないんですよね。
ちらりとあった「マーズと昔、SEXした」っていう話です。

あと、せつなにとって愛野美奈子とのSEXって、たぶん場当たり的感覚なんですよ。愛しいとか性欲を満たすとか、それとは違うんですよね。
せつなは前世も来世も見てきて、愛しても傍に居ることすら赦されない立場で、たったひとりで生きてきた人なので、愛とか恋とか、他人がいて成立するものは
なくてもいいんだと思います。婚約者がいたという過去もあるけれど、それも積極的に求めたわけでもなく、成り行きなんだと思います。

それでも、心のどこかで他人が満たしてくれる快楽=SEXを求めてしまう部分があって、これは冥王せつなという1人の女性の感情でもあるんじゃないかと。

せつなにとっては煙草=1人で満たされる快楽
SEX=他人がいて満たされる快楽


どっちもやや、独りよがりの想いがあって、でもそれで成立するのです。だからこの二人は厳密的に言えば恋人、とはとても言えないのです。
互いの都合でSEXしていますが、唯一の救いはどちらも「今を生きている1人の人として、相手を求めている」ことかなって。
SEXは2人の「今」なんですよ。前世ではなく、今を生きている人間の欲です。だから、めっちゃせつなと美奈子が好きです。


















レイが見えない何かのために振り回されていても、結局、みちるはそれを推し量るだけで、何もしない。

みちるは、まったくレイの身に起こったことを知らないまま、そして夏が過ぎていく話です。


この話は、実は「come what may」 と 「海の中、光る炎」の間に起こったことです。

海の中、光る炎は、死にゆく少女を目の前に、レイは「生きている海王みちるの心」のために愛野美奈子を引きずり出して、騒動を起こします。
そして、今回の「YOUR WORLD」は、もうずいぶん前に死んでしまった「たっちゃん」に対して、レイは自分から何か行動を起こしていません。

レイは何もしていません。それは『たっちゃん』が、特に深刻な害のある幽霊ではなく、ただの浮遊霊だからです。
デートをするときに、レイはまとわりつかれないために、色々な手段を用いていますが、『お祓いしてやろう』という感情はありません。
そして、助けたいという気持ちもありません。ひと夏を過ぎて、花火の季節が終われば、きっと彼はまた、どこかに行くだろうと思っているからです。

今回は、いくつかの対になるものと思って書きました。


①一度、命を落とし、そして今を生きている「ほたる」と「たっちゃん」。これは海の中、光る炎でも対で書かれていますね。たっちゃんが無邪気にレイにまとわりつき、そしてほたるもレイにまとわりついている。レイは今を生きているほたると楽しく過ごすことを優先させて、決して「たっちゃん」のために花火を買うわけではありません。真希が買った花火代は、真希が払っています。

②火野レイと綾瀬真希 赤と青は簡単に入れ替わります。そして、綾瀬真希はもう1人の火野レイです。2人は半神です。レイは優しさを人に伝えたり態度に出すことができない人なので、綾瀬真希は私にとって、それを表現するためのキャラクターとして描いています。

③綾瀬真希と海王みちる 今回の小説では接点が限定的ですが、みちるは今回の「たっちゃん」のことを何も知らないままです。そして、みちるは自分が何も知らなくても、真希ちゃんがレイの傍にいてくれるのなら、それでいいと安心しています。2人の関係は絶妙だなって思うのです。ライバルではありません。レイがみちるとみちるの家族を愛してくれるように、みちるも綾瀬姉妹やおじいちゃんのことを愛しています。でも、そういう感情はレイから教わったんですね。

④ヒマワリ、朝顔と花火  ヒマワリや朝顔は一生懸命花を咲かせた後、未来を繋ぐ種を落とします。花火は一瞬で終わります。ほたるは未来がある花を咲かせ、そして『たっちゃん』は刹那の花を咲かせることを望みました。未来を生きる子供と、そして未来がなかった子供。何度でも生がある。レイたちはそんな花を愛で、そしてたっちゃんは本来いるべき世界へと戻ります。


 この小説は、オチがないような感じというか、みちるさんは結局、知らないままでいいのか?!みたいなところもあるのですが、これはレイちゃんだけが幽霊を成仏させるわけじゃない、という話です。レイはみちるさんたちと楽しく過ごすために、たっちゃんから距離を取ることを最善と考え、真希もそれが当然だと思っています。レイはみちるさんたちと夏を楽しむために、そして、真希はそんなレイのために。それぞれが、それぞれに想う人のために、ちょっとした行動をする、ただそれだけのこと。

 大それたことは何もしなくても、そのことで誰かが救われる。そういう話です。誰かが誰かのために。真希は成仏を願ったわけじゃありません。ただ、レイ1人が抱えた『たっちゃん』の願いを共有した以上、自分ができることをしただけです。レイの心の安寧のために。

レイはそれをよくわかっているから、みちるさんの家に招いて、一緒に花火を楽しみました。レイが今、みちるさんたちと楽しく夏を過ごしている、その世界を真希に見せたかったのだと。ちゃんと幸せだと見せたかった。そういう意味で誘ったんだと思います。レイと真希はとても分かりあえているから、多くを語らないので、レイが真希に海王みちるが恋人だと、一言も言っていないのに、普通にそういう認識でいるのが、なんて言うかすっげーですな。教会で初めて握手をしたときから、真希はそうだと直感で思っていたんでしょうね。知らんけど。

YOUR WORLD

みちるから見たレイが生きている世界
真希から見たレイが生きている世界
レイから見た「たっちゃん」がいる世界


Come what may と、海の中、光る炎の間にあった設定の話なので、その順番で読むのもありかなって思います。



清さん:感想ありがとうございます。みちるさんは、いろんなことがあっても、何でも知らなくてもいいって思えるくらい強い人で、少々おちゃめな人で。もう、レイちゃんのことが大好きすぎて、まぁまぁ、やってしまいがちですよね。私としては、今回の活躍は最後だけじゃん!って思いながら、やっぱりみちレイなので、みちるのインパクトを残したくてあのシーンを入れておきました。

おあとがよろしいようで。













愛野美奈子について。


「希望。」という小説に出てくる愛野美奈子は、とてもドライで真の意味の孤独を抱いて生きている。

そして、自分が孤独だと言うことをわかっていて、嘆いていて、それでいて諦めている。
孤独であるべきだとも思っている。そして孤独である方が楽だということも知っている。

かつてのセーラーヴィーナスという人物像を、私はとても孤高な人と設定した。

本来、火野レイ主義者の私としては、それこそマーズの役割だったのだが、実は真の孤高の戦士はセーラーヴィーナスであった。

愛を司る、ゆえに孤独。

セーラーヴィーナスは愛とは何なのかということを、十分に知り、また知り過ぎて、故に誰も愛せない。

愛のすべてを捧げなければ、プリンセスを御守りすることはできないとわかっているから。
愛はすべてあなただけに捧げた。だけど、捧げた愛は決して見返りなどなく、それもまた「愛ゆえ」ということをよく知っている。

先読みの力を持つマーズの抱える孤独と、愛し守るプリンセスのためにしか生きていけないヴィーナスの孤独
同志が崩壊の数日前に肌を重ねた理由はいつか書くかもしれないし、書かないほうがいいかもしれない。
そのあたりはどういう関係だったのかというのを、読む人が想像するのもいいかなと思う。


天真爛漫で、美奈子は火野レイの幸せを願うとても心優しい人だけど
永遠に自分の愛や恋などといった煩わしいものと向き合う気はさらさらないのだろう。

レイちゃんはそういうことを全部わかっている。この命はとおにあなたに捧げていた。そのことを変えられないし、変える気もない。それこそが愛野美奈子である。
冥王せつなという人は、きっとだからこそ、愛野美奈子がちょうどいいんだろうと思う。

遠い過去も遠い未来も、たった1人で他人と触れることすら許されない場所で生きたプルートの魂を抱く冥王せつなにとって
愛を知り過ぎ、ゆえに乞わずに生きる美奈子との距離感がちょうどいいんだろう。


それでも最後に、愛野美奈子が見出した「希望」

肺を満たす「希望」

愛野美奈子と冥王せつなを繋ぐセブンスターは、私の中では月野うさぎを覗いたセーラー戦士 SEVEN STARS  の意味を込めて、この銘柄を選んだのだけれど(サターン以外)

おあとがよろしいようで。