TIAA ヌーベルバーグ2013 PART1 日暮里サニーホール | リーベショコラーデ

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これがオペラだVIII 第一回 ガラ・コンサート 目黒パーシモンホールに続いて電車に乗って日暮里サニーホールへ「ヌーベルバーグ2013 PART1」を聴きに行きました。

ピアノ協奏曲(もちろんオーケストラ付き)が三本もあって+秋山ゆかりさんのソプラノ協奏曲もついてて4000円とはお得。曲目もよし。特にグリーグのピアノ協奏曲は生で聴くのは初めてでした。(冒頭部分だけ昔コマーシャルに使われていたので多くの人が出だしだけ知っている曲です)

プログラム:
竹内 佑子  ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」
秋山 ゆかり グリエール/コロラトゥーラ・ソプラノのための協奏曲 作品82
須永 萌子  グリーグ/ピアノ協奏曲 イ短調 作品16
林田 まどか ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18

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三人のピアニストはどなたも名前を知らない人ですが、どうも職業としてのピアニストというより「ピアノの先生」のような印象を持ちました。セミプロとでも言うのでしょうか。

プロとアマチュアの違いというものをよく考える事があります。
プロの定義にはいろいろありますが私はその一つに「自分の仕事の値段を言える事」と考えています。
「私がこれをするのはいくらいくらの料金を戴きますとはっきり金額を言える事」がプロ。

※他にも私の考える定義はいろいろありますが本日は割愛。

で、コンサートを聴いているときにもアマチュアとプロの違いをまざまざと感じる事がよくあります。なにが、どこが違うのだろう?と。

プロとアマチュアというのは、なだらかな上り坂を登っていって、ある標高を越えた時からプロになる、というものではない、と私は思います。プロとアマチュアの境には、越えられないに人はどう努力したって越える事ができないという壁があるように思います。プロとアマチュアの境目は断絶しているのです。

そこには《才能》というものが必要なのかもしれない。
表現の豊かな人は、そういう人間としての「引き出し」を必ず持っているように思います。そういう人は、付き合って話してみてもその人間性に魅力がある。引き出しを持っている人は魅力も多い。そういう人の演奏は、同行した女性の表現を借りますと『聴衆を巻き込む力がある』という事のようです。

たしかに、感動している時は演奏者に《巻き込まれて》います。
演奏者の次の音を待ちかねるように全身が耳になり、演奏者の繰り出す音や声を聴くほどに、次々に引きずり込まれ、打ちのめされ、時には涙も出てきます。もう、尋常な感覚ではいられなくなる。

そういう演奏者は滅多にいません。

本日のコンサートは、大変な練習をされて『やり遂げた』というご本人の感動が分かりましたが、それは「本人が自分のしたことに感動している」というものであって、感動している姿には感動しましたが演奏自体に感動できるものとは違う。難曲をこなした、それは素晴らしい事ですし努力に拍手を送りたいですが、これは「発表会」では無い筈。「演奏会」というものは別物だと思う。

グリーグのピアノ協奏曲を演奏した須永萌子さんは、別格に素晴らしかった。
聴衆を《巻き込んで》いました。この方はプロなんでしょうか。
(同行した女性も帰り道で同じ感想を言いましたので、あなたもそう思いましたかと言いました)


この主催団体の名前(東京国際芸術協会)を初めて知りましたが、
オーケストラの伴奏付きのソリストを公開募集しているようです。
そんなこと私もしてみたい!
もし関心がありましたらホームページをご覧下さい。
出演される時は一報ください。聴きに伺います。