第7章 シンセサイザー
そんなわけで、ジャズを学ぶ良いライバルを得た私は、自宅練習の強力な助っ人が欲しかった。多くの曲のコード進行が登録出来て、リズムBOXの替わりにもなるKEY BOARDが欲しかった。ディスカウントショップで3万円以下で買った名門YAMAHAのキーボードに替わる、もっと多機能なものが欲しかった。。。
と、ある日、近所の中堅規模の楽器店に売譜を買いに行った。しかし、即、目に入ってしまったのはシンセサイザーだった。シンセサイザーとはどんなものかは、YMOが使ってたくらいの程度しか知らないが、ディスカウントショップで3万円以下で買った名門YAMAHAのキーボードよりも図体がでかく、がっちりしてるシンセサイザーにおおいに関心がいった。
鍵盤をまず叩いてみた。『む~、ちょいと柔らかいな。。』
そこで、店員に質問しちゃったのが不味かった。
『鍵盤がピアノタッチのものはありませんか??』
『ありますよ、お客さん。取り寄せになりますけど。。』
(「取り寄せか。。弾けなきゃわかんね~な。」と思った。)
『値段は?』との質問には、たしか『40万円。』という店員の答えだったと思う。 目の前にあるやつは、30万円。これを15%引きするという。こっちなら買えるが40万円のは無理や。鍵盤のタッチは柔らかい。
『どうする??』と自分に問いかけるかわりに、又、店員に聞いてしまった。
『これ使うの難しいですか?』
『いや、簡単ですよ。(難しいと言って売りつける店員なんかいない!)私も使ってますけど、打ち込みは面白いですよ。。』と、その多機能ぶりを知ってしまったのが、またいけない。打ち込みができる。THE UCHIKOMI。なんとなく、かっこいい。
『ブラシの音源はあるの?』とますます欲しくなった私。
『ブラシは、まだどこのメーカーでもないでしょう。』と店員。
ジャズにブラシは必要だ。。(苦手なバラード・スローな曲もやりたかったのだ。) でも、どこのメーカーにも無いんなら仕方がない。 『ブラシはなくても、テンポを落とせばいいんだ』と考えた。べ-ス音はWOOD BASSの音色あり、シンバル音や太鼓の音はリアル感ありとのこと。なんでも、デジタルサンプリングなんで音が良いとかと言う説明だった。リアル感がある、と言う言葉に妥協点を強引に見い出し、これまた名門YAMAHA社のシンセサイザーSY-77を 即日持ち帰った。(ちなみに、おいらが所有したKEYBOARDとPIANOは現在までに4台。すべてが、YAMAHA社製である。YAMAHAさんには、いつもたいへんお世話になっていることになる。)
開梱して、マニュアルを見た。分厚い! パソコンの取説みたいのが、2册も付いてる。『え~!!! 簡単そうじゃないな。。』と、言うのが最初の感想。1曲打ち込むのに3日かかった。しかも徹夜もした。根気強さでは定評のある私。1曲できればこっちのもの。あとは自由度が増すばかりだった。 シンセのいいとこは、KEYが簡単に変えられる。リズムパターンを各種セットしておけば、DATA COPYで自由にリズムも変えられる。音色は100色以上はある。ジャズでは使わないけれど、パイプオルガンだって、ウクレレだって、三味線だって、拍手だって入ってる。ドラムの音色は、ブラシの音が無いだけで、充分、ドラマーの替わりをしてくれる。 打ち込みだから、自分の好みの和音も作れる。売譜に掲載してある、たとえばBill Evans の和声だって、一度入力しちゃえば、何度でも味わえる。自動演奏ももちろん出来る。何コーラスだってOK。打ち込んだDATAはフロッピーに記録しておけば、何曲でも作っておける。
作って、作って、じゃんじゃんフロッピーに登録した。これを使って、レパートリーは広がっていった。JAZZ PIANOのクローズボイシング(音域1オクターブ以内の和音)では、ROOT音は最下部で弾かない。ベース音とぶつかるからだ。それを踏まえての色々な和声の確認にも役立ち、そのハーモニーに酔いしれた。 KEY もCからFやB ♭、E ♭へと広がっていった。ジャズ的和音に関心を高めた頃にこのシンセを得たことは、大変好都合で、ますます、私はやる気なった。もちろん、じゅんちゃんのところに行くときも、ひっさげて(実際は車に載せて)行った。
『これなら、一緒にまた続けられるよ!』と、私はじゅんちゃんに笑顔でシンセを見せた。。(以下つづく)
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