パージ
今回は成形機のパージの話。
成形機の材料替えの際に前の材料を排出して
次の材料を投入する為に洗浄する作業を「パージ」と言います。
このパージ作業には一般の樹脂を使用する場合がありますが
高温域で使用する樹脂や温度領域が異なる材料、色が違う材料を使用する場合は
「パージ材」と言われる洗浄用の樹脂を流してスクリューを綺麗にします。
パージ材は色々な種類があり、ベースとなる樹脂が違えば
フィラーが入っていたりと用途やスクリューの仕様により選択する必要があります。
例として使用材料は以下の通り
1.最初の樹脂は PPS GF入 黒
2.次工程の樹脂は ABS 透明
ざっくりと説明すると・・・
成形する温度が約100℃違う材料を段取り替えします。
色は黒から透明になるので少しの汚れ残しも許されません。
と言う状況です。
求められる項目として
1.高温域での洗浄性
2.高温→低温の変化におけるシリンダー内の材料置換
3.パージ材自体が滞留しないこと
があげられます。
シリンダー内の洗浄に関しては色々な理論がありますが
スクリューの羽根(厳密に言うと羽根の裏側)と逆止弁が
洗浄のポイントになると思っています。
(シリンダー、スクリュー共に傷が無いことが前提です)
スクリューの羽根の裏側、つまり常に触れている保証がない部分に関しては
残りが取りきれなかった前工程の材料、もしくは置換した材料が空気に触れる
状態で高温下にされされるために焼け、炭化してしまう。
逆止弁(俗に言う三点セット)は複雑な形状に付着した樹脂が取りきれず
次工程でも残ってしまう。
高温域で使用できるということは低温域では粘度が高くなり排出性が悪くなる。
以上の用件を満たすものとして温度領域が広く粘度が高い、
もしくは充填性が良く排出性が良いパージ材が必要になります。
そしてパージの作業方法も自ずと決まってきそうなのですが
やはり各メーカーの仕様により違いがあります。
ということで現在試験中です。
余談ですがyahooで「パージ」と検索すると
ホームパージにタウンパージ。
ワンランク上のパージですなぁ。