子供の権利条約から、(離婚別居後の)子供の権利を考える -3ページ目

ウェークアップ・プラス 放送倫理上の問題点 放送:平成23年7月9日 日本テレビ

ウェークアップ・プラス 放送倫理上の問題点 放送:平成23年7月9日 日本テレビ

国際条約加盟へ・・・しかし、数々の問題が

日本テレビ(制作は読売)は7月9日(土)の「ウェークアップ・プラス」という番組でハーグ条約の特集を放映しましたが、この番組でのハーグ反対派の取り上げ方に各種の問題点が提起されています。

かなり不審点、不公平な点が多く偏向した番組と言え、下記の指摘をいたします。

第一 反対派当事者の実在性、事案の真実性への疑問
 
 1 賛成派当事者は各種写真や資料等を提示し、その実在性には疑いがないものの、反対派当事者として登場した人物は全く資料も提示せず、人物の実在性に疑問が残る。
 
 2 反対派として登場した人物がカツラをかぶっていたという指摘があり、そこまで変装の必要があるのか?ということからも実在性に疑問が残る。

 3 仮に、反対派当事者が実在の人物であったとしても、賛成派当事者は各種写真や資料等を提示し、事案の真実性に疑問はないものの反対派当事者は一方的な自己主張と、番組側が制作した”DV夫”のイメージビデオだけで根拠となる資料がなんら提示されておらず、DVを受けたと言う主張の真実性にも疑問がある。

 4 こうしたイメージビデオを使う手法は、TV局が他に資料がなく作りようがない時に番組時間の穴埋めによくつかわれる手法であり、ヤラセ的な印象が拭えない。

第二 番組製作上の問題点

 1 ハーグ条約には、「連れ去られた親」「連れ去った親」の二つの立場があり、これが相反する本当の当事者の立場である。国内での賛成派、反対派というのは両極の立場ではない。
そうすると、公平性を担保するためには、連れ去られた側の外国人親の言い分も紹介しなければならないし、それがマスコミの使命でもある。
国内での賛成派反対派ばかり対象にすることは、論理のすり替えに他ならない。

 2 前記したように番組サイドは反対派当事者の言い分だけを鵜呑みにして、”DV夫”のイメージビデオなどを制作しているが、反対派当事者が実在であるとすれば、外国人夫も実在である。その人物の言い分も聞かず、根拠資料もなく、取材による裏も取らずそのようなビデオを制作・放映することは名誉棄損に相当し、犯罪行為を形成する恐れがある。

 3 反対派当事者として出演していた女性は、NBCの取材に応じていた、子どものパスポートを偽って再発行させて日本に逃げてきた女性ではないかという指摘があるが、そうだとすれば明らかな犯罪者である。
 米国での出国停止の裁判所の命令に違反し、さらには、パスポートを偽って再発行させることは明らかに違法行為であるが、これは日本でも同じであり、こうした命令に違反することは当然に不法行為ないし違法行為を形成する(米国で指名手配されていればその時点で犯罪者だが)。
すなわち番組は犯罪者の一方的な言い分を取り上げ、それを元に番組を制作している疑いがあり、そうであればこれは犯罪行為を推奨していると非難されても仕方のない行為である。 

以上であるが、なお、このような映像が翻訳されてアメリカ等で放映されれば、アメリカにいる日本人女性は、さらに親権(監護権)認められにくくなり、面会交流すら困難になってくる可能性が高いというべきであり、さらに諸外国での国際離婚事案に係る女性側の立場を悪化させることは間違いないものと思われる。