少し時間が空きましたが、一風堂シロマルベースの話の続きです。

 

木村。こいつの事は、私は当時めちゃくちゃ嫌いでした。こいつ当時は大学生でした。現場でこいつが一番ガキだったと記憶してます。「頼むから今日死んでくれ」ってずっと願ってました。同世代と一緒にいる時はニコニコ談話に参加するけど、一度、大人が周りにいると不機嫌な顔をしだす。こちらが何か言うと不貞腐れるといった感じです。シンプルに「死ね」と言いたくなるタイプです。

 

飲食店では大体、午後2〜3時くらいから夕食時になるまでに暇になる時間帯があります。業界用語でその時間帯の事をアイドルタイムと言います。その時間帯は店舗スタッフの人数が一気に減って調理担当一人、接客担当一人の二人体制になることが多々あります。

 

ある日のアイドルタイムに木村が調理、私が接客という、私がクソガキのお守りをする状況がありました。当時の一風堂シロマルベースでは夕方5時までランチサービスを提供するというスタイルでした。表の看板にもそう書いてあります。午後4:45ぐらいになって私が客席のセッティングをランチメニューからディナーメニューに変えてる最中でした。3人組の来客がありました。その中の一人が「ランチBセット」を注文しました。私は「ラーメン1、ランチB1」と麺場にいる木村にオーダーを通しました。「一名様、ラーメンにランチBつけました」という意味です。そしたら、あのガキ「えー、こんな時間からランチできないっす」と言いました。(ランチBとはラーメンにご飯と餃子が三つ付く内容です)私はその瞬間に店内にある時計を見て4:55くらいだったのを確認した後に木村の顔を見て「え?どうするんですか?」と尋ねました。木村は「ディナーメニュー出してください」と言いました。私は心の中で泣きながら「すいません。現在ランチを出すことができません」と言いました。木村、不貞腐れた顔。その客はできた方で、「そうんなんだ。ならラーメンにご飯と餃子。で、お願いします」と言いました。

 

次回に続きます