魚三酒場 | 彼女が風に吹かれた場合

彼女が風に吹かれた場合

美味い酒と料理があれば皆、幸せですよね。



世に言う名店は数あれど、こと居酒屋に関しては、まあディープな歴史があるのです。





隅田川沿いはこれまた日本屈指の飲み屋ディープスポットな訳ですが、とりわけ大衆居酒屋の歴史は古く、その地区の文化に根差しているんですね。





濃くてディープで荒々しくて、よそ者をどこからどこまでそう呼ぶかは分かりませんし、またどう扱うかもそれお店次第ですが、特に面倒くさいのは我々を含め客な訳です。





だからこそ江戸下町の名店は常連が幅を利かすお店が多いのですけれど、そんな下町文化を地でいっている門前仲町の名店「魚三酒場」を目指しました。





当然ですが、何はともあれ目の前の深川様へ。

お詣りは欠かさずに。

門仲の駅を出たらそこは参道ですから。


彼女が風に吹かれた場合 「深川不動尊」


平日の昼間。

人影も適当に。

そんな時間です。





そうなんです。

そんな3時台に飲みに来なきゃいけないのがここなんです。


彼女が風に吹かれた場合 「現在3時半」


油断禁物。

魚三酒場は開店が4時。

スッ…っとお店に入りたかったらこの時間には来なければいけないのです。





だから、こお店は近くて遠い、なかなか来たくても来れないお店なのです。





えっ、別に後から来ればいいじゃないかって?

常連及びご近所さんでしたらいろいろとルールを知ってるからそれもいいですが、このタイミングで入らなければ次はどれだけ待つかは保証の限りではありませんから…




スッ…っと入りたかったら早く来て黙って並んで入るのがセオリーです。よろしく。





日々の生活の中、早くからやってくる、そんなことが出来るタイミングに、それを楽しみとしてやってくるのがいいんじゃんねぇ。





馬鹿馬鹿しいと思うかもしれませんが、馬鹿だから楽しいこともあるんです。





並んでいたら小雨が降り出しちゃって、先頭の先輩たちが店の軒で雨宿りをしようとすると、お店の人が出てきて追っ払います。このシビアさが下町の上下なしの志なんです。





やられた本人は別にいいじゃないか!っと思うでしょうけどね。

自分だっていやですよ、そんなこと言われたら。

まあ、それがここのルールですから。





ジジイもババアもガキもないんです。

ちなみに子供の入店はお断り。


彼女が風に吹かれた場合 「魚三酒場」


そうして4時にいよいよ開店。

こんなに並んでいたのか!?っと、驚くほどに凄まじい勢いで店に客がなだれ込んできます。





席取りをしくじるととんでもなく馬鹿をみます。

この日は二人で行ったのですが、席に座ろうとしたら中途半端に1席しか取れない不細工なポジション取りをしてしまい、危うく1階で席を取り損ないそうになりました。




カタカナのコの字型のカウンターが二つ並ぶ居酒屋スタンダードスタイルのW型の作りで、結構な人数が入れるのですが、1階は瞬殺で埋まってしまい、その後は2階に上がっていくのです。





一辺にそれだけの人数が入って一斉に飲み食いスタートするのですから、これはもう見物な光景です。


彼女が風に吹かれた場合 「壁に貼ったこれがレギュラーメニュー」


しかもこのお店は安くて美味くて種類豊富なつまみが名物ですから、この作業効率っていったらないですよ。

当然、それが名物で素晴らしいからみんな来るんですけどねぇ。





カウンター端から順番に飲み物のオーダーをとっていきます。

そして一気に飲み物を出して、つまみのオーダーとりに変わります。

その仕事っぷりが、まずこの店の最強の見せ場なのです。

女将さん(左の島担当)とお兄ちゃん(右の島担当)がそれぞれに激しくオーダーを通し、アシスタント(従業員の人ね)が次から次からそれを出していくんです。

これがなかなかどうして日々の営みとしても素晴らしく、そして荒々しくこなされていきます。





女将もお兄もぶっちゃけ怖い勢いですよ。

それこそ毎日来るような常連さんにも有無を言わせず、面倒くさいこと一切聞かず、それこそ勢いで諭しながらバンバン出しまくっていくんです。





メニューの品は生ものは仕込んであるので即出てきます。

火を入れる、揚げるなどは準備万端で待ち構えて、職人さんがどんどんこなして仕上げていくのです。





初めてじゃ戦場としか思えないような光景です。


彼女が風に吹かれた場合 「絶対はずすな〆サバたっぷり」


生ものは美味くてマジ安。

居酒屋万歳って感じです。


彼女が風に吹かれた場合 「絶対はずすなアワビ刺し」


超お値打ち価格ですからね!

ほとんどが500円以下ですから。

アワビだって400円の迫力プライスっ!


彼女が風に吹かれた場合 「魚三ではハイプライス中トロ」


これだけの量で中トロ630円の下町価格です。最高です。美味いです。





これで開店前にう~んと並んでも、1階のカウンターに座って楽しみたければ並ばなきゃならない理由がお分かりいただけたかと思います。


彼女が風に吹かれた場合 「ゲソだって美味いんですヨ」


他のつまみも美味いんです。


彼女が風に吹かれた場合 「食いさしハラスもボリューム」


しかもやっぱりお手頃なんです。





このお店に来る方は一人の方が多いんです。





黙々と飲んだり新聞読んだり。

自分のペースでやってる先輩が多いのです。




特にここだからかもしれませんが、サディスティックな雰囲気すらその方たちから感じます。





でもここには、そんな不思議な魅力がつまっているんでしょうね。





開店で入ると正直自分が若造だと思えます。先輩だらけなのでね。

まあ、なかなか最近そんな風に思うこともなくなっているので、逆に楽しかったりするのですが。





酔っ払いの先達の話なんぞ半分でいい加減かもしれませんが、そんな場所で胸を借りているような気持になるのが新鮮だったりして嬉しいのです。





江戸下町呑兵衛寄ったりの中心で愛を感じようじゃありませんか。





平日の昼間っから飲もうという贅沢を楽しみたい方は、面倒くさい下町ルールのるつぼに飛び込んでみるのもお勧めですよ♪