これまで駄目教授ばかり述べてきたので、私が名教授と思われる人を紹介しよう。
本当に名講義というのは、芸人と同じように天性のものだと思う。
文学系の教授だが、新入生の歓迎講義で、この方が話し出して5分経つと私語がぱたりとなくなってしまった。そして、10分後にはうっぶせになっていた学生がすべて教授の顔を見つめて話しに聞き入りだした。
学生はどう考えるか知らないが、私は講義にかなり全力投球をしているつもりだが、注意しないで私語をなくしたことがない。まして、私の講義を7割の学生が真剣に聞く事はない。
この名講義をする教授の話の内容は、私と対して違いがない。しかし、学生に講義が浸透してゆく力がまるで違うのだ。だから、天性というしかない。
学生の皆さんは、こうした教授は評判になっていると思うので、名教授の講義は聴くべきだ。科目などはどうでもよい。大学はなにより人間を形成するところだから、科目以上に人間的な感銘を受けることが、実利的にも必要なのだ。
私の持論は、科目よりも人間的に信頼できる教授の講義を受けるべきだということだ。こういうと社会に出てから役立たない科目をとってもしょうがないと学生は反論するが、とんでもない間違いだ。
大学で習ったことで就職するとしたら、国文学や歴史学の学生はどこへも就職できないことになる。優秀な学生は専攻にかかわらず就職してゆく。人間的な魅力があるからだ。
そこを学生は誤解することが多い。