夕飯後、お姉ちゃん達にもいて貰って今日動物病院で説明されたももの容体を伝える。
重い肺炎だということ。
この冬がとても大切だということ。
真顔になる子ども達を見ながら言葉を続ける。
だからももには寒い思いをさせてはいけないんだと伝える。
なので夜もこの部屋はエアコンを掛けっぱなしにするから絶対止めないでねってことも。
それから外に連れて行く時も必ず洋服を着せてから連れていくこと。
この二つは必ず守って欲しい大切なこと。
ももに着せるワンちゃん用の洋服は急ぐからとりあえず明日の午前中にホームセンターのペットコーナーで私が買っておくこと。
それから、ももの容体を診せる為に5日ごとに通院することになったこと。
なので車の中でもものことを支えてて貰いたいから下の二人にはいつも動物病院に一緒に付いてきて欲しいこと。
いつも夕方になっちゃうね。
それから、ももにお薬をあげるのも手伝って欲しいこと。
それからそれから……
とにかく、先生にはこの冬がヤマですって言われちゃったけれど、家族みんなで力合わせて絶対ももを治していこうねという誓い。
でも本当はウチの家族だけじゃなかった……。
ずっと子どもたちみんなで守ってきたももの命だったんだもの。
子ども達みんなの気持ちを引き継いでももを治していくんだ。
…それを思うと私の心がチクッと痛むことが一つある。
「足まで白くてまるで白いたびを履いているみたいだから…」って子どもたちみんなで一生懸命考えて付けた『たび』という名前をウチで『もも』に変えてしまったこと。
みんなで付けた名前、取り上げてしまってごめんね😔
ももをようやくウチで引き取ることになった時…
他のウチは誰もこの子を引き取ってくれなかったんだもの…
ウチの子にしたんだもの…
って、本当は私が一番ウチの子としてももの名前を家族でつけ直したかったんだ。
でも、みんなで可愛がって、みんなの精一杯の思いで守ってきた『たび』だった…
『ももちゃん』にしてごめんね…って。
これからはみんなから大切な『たびちゃん』を預かっている…という思いをしっかり胸に抱いてももを守っていくね。
子ども達の優しさも一生懸命さも、そして子どもたちの切なかった思いも、みんなももに教えて貰ったね…。
もも。ありがとうね…。
さぁ、明日はももに着せてあげるお洋服買ってこよう。
なんだか妙に気はずかしいけど。