「暴力はやってくるのではない。帰ってくるのだ」

「自然が引き起こした圧倒的な力より、われわれ自身の中に潜んでいる暴力、もしくは暴力への萌芽こそ、真に恐るべきものではないか。我々はそれを知りながら、気づかないふりをしている」

(解説・吉田篤弘)


帯に書かれていた言葉です。

しをんさんの作品で暴力?とあまり結びつかなかったのと、相反するようなタイトルにつられて読んでみました。


島を襲った災害とは、津波のことです。



『光』 三浦しをん


島で暮らす中学生の信之は、同級生の美花と付き合っている。

ある日、島を大災害が襲い、信之と美花、幼なじみの輔、そして数人の大人だけが生き残る。


島での最後の夜、信之は美花を守るため、ある罪を犯し、それは二人だけの秘密になった。


それから二十年。


妻子とともに暮らしている信之の前に輔が現れ、過去の事件の真相を仄めかす。

信之は、美花を再び守ろうとするが--


渾身の長編小説。

(文庫本裏表紙より)


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この小説は2007年に雑誌での連載が始まり、書籍化は2008年となっていました。

東日本大震災の前です。


津波で壊滅した島、というので、奥尻島をちょっと思い出しました。

壊滅とまではいってないけれど、当時、奥尻島を襲った津波の後をテレビで観たとき、衝撃を受けたのを覚えています。

まるで、爆撃、空襲を受けたかのような惨状。


津波の被害については記憶にもまだ新しい、東日本大震災のことも脳裏によぎりますね。



島に起きた津波の被害から生き残った3人の子供。

島を出て、それぞれの道を歩んでいたものの、20年たってまた絡み合う人生。


誰も幸せにならない感じが、ちょっと苦しくなりました。



暴力というのは、単純に殴る蹴るだけのモノではなく、言葉や態度によるものだったりします。

暴力的衝動は、誰にでも起こりうるもの。


悲しい話でした。



しをんさんがこんなタッチの作品を書いてることがとても新鮮でした。