「さんかく」 | ニカラオの日々是好日

「さんかく」

わしは、吉田恵輔監督を「日本で一番おもしろい映画を撮る監督」だと思っている。

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そのおもしろさの基本は、人間の本質を突いた、苦笑するような気恥ずかしいような場面を容赦なく切り取ってみせる視点のおもしろさだと思う。

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今回の「さんかく」もまったくその通りだった。
しかし、あんまり笑えなかった。
なぜだろうと・・・と考えたら、主役の男(吉田映画では主役の男はすべてスケベなダメ男w)が、コメディ系の俳優じゃないからだ、と言う点に行き着いた。
「机のなかみ」や「純喫茶磯辺」みたいに、芸人の方がよかったのかなあ・・・

主役の、15才の女子中学生に入れあげるダメな30男を、高岡蒼甫がやっている。
わしは彼を役者として高く評価している。
が、なんか彼がマダオ(「まるでだめなおとこ」の略w)を演じてもイタくて、悲しいところが強調されて、面白みが少なかった。
やっぱり、芸人つれてきた方が良かったのかな・・・

15才の女子中学生を小野恵令奈がやっている。
鼻声でなにを言ってるか、よく聞き取れないw
そんな、しゃべり方がえらくリアル。
姉の彼氏を誘惑して結果的に「闇」へ落としていくw
で、おっぱい大きいのですよ。
それを吉田監督がなめるように写すんですなw
で、男にとっての「災厄」のタネ的な雰囲気がびんびん漂う小悪魔をうまいことやってます。

妹に彼氏を取られたことすら気がつかない姉を田畑智子。
最初はかわいい愛すべき女性なのに、彼氏が別れを切り出すとだんだんと変化していき、電話を掛けまくり、彼氏の職場にもあらわれ、引っ越し先の合い鍵を無断で作りだす・・・
え?え?、と言う間に、おかしさから恐ろしさに変化し、彼氏のアパートの下で「さよなら」の電話をかけれる時には・・・・・・
と、最後には、「いーーー・・・・」て、引くくらいになりますw

この「さんかく関係」は、カワイイ「さんかく関係」ではなく、むき出しの人間の愚かさとエゴイズムを赤裸々に写し取って笑いに変えるという、吉田恵輔監督ならではの味付けになっています。

一見しただけだと、「なにこれ???」て思うかもしれません。
でも、わしはやっぱり吉田恵輔監督がすきですw

ということで、ワシ的にはおすすめ。
でも上映館少ない。
たしかに、笑えないし、イタイ3人が出てくるし、で人が入らないと考えたんだろうな・・・
結構おもしろいのにw

ワシのお勧めシーンは、田畑ともちゃんが便所の窓から突然顔を出すところですw

ではまた明日 汗眼鏡