4月3日土曜日 渋谷公会堂 鶴松の三番叟が見たくて行った。 結果、大満足。 三番目に眼目の「操り三番叟(あやつりさんばそう)」が出た。 三番叟・鶴松、後見・いてう。 鶴松は中腰で両手を斜めに開く時、目を見張る速さと形の良さを見せた。 いてうが、気持ちの良い間の良さで足拍子を踏み、また気合の見事な謡で聞かせる。人形を操っているように見えたし、これだけ気味あいのいい後見ならばこそ鶴松も踊れたのだろう。 勘九郎がトークコーナで「本公演に出せるレベル」と断言したのも尤も。
幕開きに素踊り「鶴亀(つるかめ)」。 翁・勘九郎、鶴・七之助、亀:鶴松。 三人とも指先がきれい。七之助の腕から背中にかけての柔らかい動きにうっとり。
続いてトークコーナー。 勘九郎、七之助、勘太郎、長三郎全員背広姿。 七之助の好きなところ、嫌いなところは?という質問に、勘太郎は誕生日にズボンを買ってくれて嬉しかったと、長三郎は宿題を教えてくれるところと答えて、嫌いなところは何も言わず、お行儀がいいわ。 関西の公演で食べたのどぐろがおいしかったと言ったのは勘太郎。彼は将来団七がやりたいと言っているのに、五月のコクーンに出られないのが不満でしょうがなくて、毎日学校が終わったら見に行くそうな。
最後に「俄獅子(にわかじし)」。 鳶頭 松蔵・勘九郎、鳶の者 鶴吉・勘太郎、鳶の者 亀吉・長三郎、芸者 おたか・七之助。 勘九郎は首抜きの衣装を着こなしている。彼の様に胸板が厚く、仕草のきれいな鳶頭がいたら惚れてしまうだろう。扇の翻り方も粋。 芸者の七之助も文句なく色っぽいが、鶴松か児太郎との組合せでも見てみたい。兄弟コンビという先入観があるせいか、恋人同士としての色っぽい雰囲気が感じられないから。
会場にはかなりはやく着いてしまったのだが、となりの公園にまで続く長蛇の列で席に着いたのは15分前。2か所の入場口で手指の消毒ともぎりは各自という作業で滞ったためらしい。終演後も2000人近い観客の分散退場で結構待たされた。観客数は歌舞伎座と大差ないが、スタッフの人数でどうしても手際に違いが出てしまうのだろう。コロナ禍ゆえに致し方なし。 帰りに公園に並んでいるときに目に入ったゼブラコーヒーというカフェでランチ。変わった作りのカフェで狭苦しいところだったけれど、大きなクロワッサンのサンドイッチはおいしかった。 |