1月15日火曜日 15:00

 

劇場に入る前に、浅草藪で天ざる。西山で福々まんじゅうとコーヒーセット。コーヒーは初めて頼んだが、これもいい味だった。

 

お年玉ご挨拶は鶴松。

「残念なお知らせが二つ」と振って、ひとつは時間を見誤ってご挨拶の時間が少ないこと。もう一つはこのご挨拶が「松也兄さんでも、カッコイイ隼人さんでもない」ことだそうで、盛大な拍手を貰ってました。

 

「寿曽我対面」

巳之助の小林朝比奈がすごかった。所作がいいのは勿論だが、破壊力抜群。こんなに勢いのある朝比奈は初めて見た。

朝比奈が元気なので、五郎の松也がこれまた目いっぱい力んでいる。

歌昇の十郎と、役としては逆だと思うが、二人共動きがきれい。

 

 

「番長皿屋敷」

身分差がある社会で、結婚してもらえるどうか不安に思う女性に何の「忖度」もないという無茶な物語なので、好きな話ではない。

 

隼人の青山播磨。せりふを歌い上げて聞かせるというところまではいかないが、どのせりふも語尾までしっかり言えていて違和感がない。

梅玉が「播磨の役は隼人に」と指定して、隼人はとてもうれしかったそうだが、期待に応えていると思った。

 

種之助のお菊。小柄でふっくらしているので、こういう素朴な女性役にぴったり。

 

橋之助の放駒四郎兵衛。登場した姿が子供。これは致し方ない。

 

鶴松の腰元お仙。とてもきれいな着物を着ていた。水色が映える総柄。今のお嬢さんが着てもいいのではと思えるもの。鶴松の芝居も控えめながらきちんとしていて気持ちいい。

 

奴・権次に蝶十郎。お菊を斬り捨てようとする播磨を止めるところのセリフ回しに難があるが、からだをまるめた姿は奴らしくてよかった。

 

播磨の伯母・後室真弓に錦之助。錦之助の女形とは珍しいが、意外や恰幅が良くて形になっていた。親子共演の場面を作るための配役だと思うが、それが受けている様には見えない。

 

「乗合船惠方萬歳」

鶴松の芸者、目線、顎先、手の先と、きれいな線を描く動き。こんな芸者さん、お座敷に呼んで間近で見てみたいと思った。

 

巳之助の萬歳、種之助の才蔵、二人の息がぴったりとあっている。鼓を置いて、その上に扇を乗せる振りのあたり、リズムに乗って楽しかった。

 

実に気持ちよく公会堂を後にする。