8月13日月曜日 18:00

 

この芝居、今まで見て一番おもしろかったのは2011年渋谷コクーンの舞台。

おふざけと凄惨な場面が交互に出てメリハリがはっきりとし筋が実によくわかった。

 

今回、おふざけの場面-深川大和町、四谷鬼横町がまるで効かない。二軒茶屋も源五兵衛(幸四郎)を騙すために全員力を合わせて茶番を演じているバカバカしさが伝わってこない。

 

橋之助(平成7年生)の六七八右衛門(ろくしちはちえもん)がうまいわけがないのはキャリアが浅いので致し方ないとはいえ、力不足をフォローする演出がないので、ただ下手な人が出ているというだけになっている。これは橘太郎(きつたろう/昭和36年生)で見たい。

 

くり廻しの弥助を演じる中車(ちゅうしゃ=香川照之)はうまいのだが、長屋の連中、幸四郎の源五兵衛、七之助の小万(こまん)との会話が弾まない。

 

五人切(ごにんぎり)の場では、衝立の血を盛大に流したり、源五兵衛が花道に出るとピンスポットで照らしたりと怖い所の演出は何かと工夫されていた。けれども瞬間的な驚きだけに終わったのは残念。

 

最後の場面は完全に気が抜けている。飯を食べる生首の小万というのを止められないのかなあ。登場人物みな繋がってたのねというだけの場面だ。

 

ということで、だらだらとして見疲れたなあという一幕。

 

八月の楽しみだった吉兆の水ようかんがなくなっていたのは残念。