1月13日土曜日 13:00
横浜能楽堂
「石橋」に活けた花を添えて見せる。これ一曲というすっきりしたプログラム。
脇正面から撮った写真の通り、舞台の正先に紅白の牡丹の花が。
池坊専好はブルゾンちえみよろしく、with Bを従えて登場。すでに枯木がしつらえてあった台に、紅白の牡丹を一本ずつwith Bから受け取り活けてくというパフォーマンスがあった。
その後の「石橋」は、囃子方が大迫力だった。
亀井広忠の大鼓。前半は少々うるさいところもあった。
しかし、後シテが出てくる直前、小鼓の成田達志と共に打った場面は、ちょっと見たことが無いほど気迫のこもった演奏だった。
同時に打つ音の歯切れの良さ、それぞれに打つ間の良さ。そこに太鼓の林雄一郎が斬り込むように打ち込んでいく。
林雄一郎は先日51歳で亡くなった観世元伯(もとのり)の弟子で、今回の舞台は師の代役。
獅子は片山九郎右衛門、清愛(きよちか)親子。
まだ十代だと思うが清愛のからだの芯がしっかりしている。飛び上がって回転して着地するところにみじんも揺らぎが無い。
今回は、九郎右衛門の方が一瞬ぐらつくところがあったりした。
アイは深田博治。出の小謡がうまかった。謡う声が師匠の萬斎に似ている。
久しぶりの横浜能楽堂だったこともあって、千駄ヶ谷の国立能楽堂より狹い空間で、音が濃密に迫ってくるのが楽しかった。
この日の演目にあわせて作られたらしい牡丹の干菓子は、東北の大雪の影響で車が到着せず、到着次第売ると言って予約をとっていたが、次々と予約が入っていた。後日Twitterで、その日に売ることが出来なかったと知る。
そのほかの書籍も手に取って見ている人が多かった。売店、大盛況である。