1月9日火曜日 11:00
「天竺徳兵衛韓噺」
5日の〈中居正広のキンスマスペシャル〉で獅童が肺がん以外にも病を抱え手術をしていたことを知ってびっくり。巡業公演で復活した時も、稽古の時はまだ抗がん剤治療をしながらだったとは。
とにかく元気に舞台に戻ってきてくれてめでたい。劇中、自分でも言っていたように12月には男の子も授かったそうで、なにより。
芝居そのものは、今一つ。
獅童の天竺徳兵衛(てんじくとくべえ)が異国を巡って来た噺をするところ、せっかく語りを聞かせる場面だったのに、おちゃらけてしまってつまらなかった。こういうところで、獅童の芸を見せて貰いたかった。
獅童のもう一役、座頭徳市が池に落ちて、三度も浮かび上がっては沈んだ。早替りのための時間稼ぎとして、まったく間の抜けた演出だ。
こんなもたつきの後の宙乗りなので、〈葛背負(つづら しょ)ったがおかしいか!〉も、爆発力がない。姿は大きくて立派だった。
大道具がおもしろかった。
南国の屋敷にヤシの木が描かれた壁とか、独特の模様でピンクや緑を全体に施した建物など。
「口上」
海老蔵一人のにらみ。
見事だ。これは彼以外出来る人がいない。
後見の齊入(さいにゅう)の立ち居振る舞いに透明感があってきれい。
正月ならでは。
「鎌倉八幡宮 静の法楽舞」
初めてみる。
海老蔵は踊りがうまくない。なので、何役勤めても踊りを堪能するというより、その中の豪快な部分でスッキリ気分を味わうという感じだ。
最初の老女で、彼がいつもやる老けたように見せかけるベタベタとした喋り方をするのを聞いて、やだなと思っていたら眠ってしまった。
目覚めたら、もう化生になっていた。これなら豪快で安心してみていられる。
隈取の青に蛍光塗料が入ってないか?それとも汗か?キラキラと光っていた。
河東節(かとうぶし)、常磐津(ときわづ)、清元(きよもと)、竹本(たけもと)、長唄(ながうた)が出揃っている様は壮観。
この日、かべす食堂で蕎麦を食べようと思ったら、蕎麦職人が休みなのでおでん定食しか無いとのこと。職人さん一人なので月に数回休みを取るそうな。ということは、いつも打ちたての蕎麦を出していたのね。
帰りに演舞場裏のお稲荷様にもお詣りを済ます。