12月18日月曜日
池袋芸術劇場
劇団チョコレートケーキ
作:古川健(劇団チョコレートケーキ)
演出:日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)
「あの時の記憶」と対になる舞台。
こちらも十分に見応えあった。
ヒトラーの人となりを言う一言に〈強靭な意志の後ろに、何も思想がない〉と鋭く言い当てながら、ヒトラーの側にいると権力が使える快感と恫喝の恐怖で唯々諾々と付いて行く様子が見えてくる。
ヒトラー役の西尾友樹は、容貌は似せていないが、演説の仕草、間の取り方はそっくり。拳を上げたり、首元を締める様な仕草に日本語のセリフがピッタリと合う。
顔を似せなかった分、普遍的な人間像になった。
演説のうまさに客席でも吊り込まれて彼の言う事に納得してしまい、当時の人たちのきもちを疑似体験させられる。
過去の話じゃない、今でもこの人物が出てきたら抗う自信がない。
ヒトラーに心酔する世話係ビルクナーが「あの記憶の記録」のアウシュビッツの監視員に繋がっていくようだ。