11月25日土曜日 11:00
「鯉つかみ(こいつかみ)
市川染五郎本水にて立廻り相勤め申し候」
染五郎の名前、昼の部最後の演目。ラスベガスで上演したし思い入れがあるのかなあ。
水中の立廻りでは、染五郎に水をバシャバシャかける黒子(水子?)の背中を演技中断してパンパン叩くサービスカットあり。
幸四郎になっても派手な舞台たのむよ!
「奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)環宮明御殿(たまきのみやあきごてん)の場」
環宮だけだと吉右衛門ちょっとしか出ないのだなということに気づいた。
それでも花道七三でのせりふも見事だし、赤旗を投げるのも間の良さがたまらない。
でももう少し見たかった。十二月も一月も舞台があるから体力温存月間なんだな。
雀右衛門の袖萩と浜夕の東蔵のバランスがとてもよかった。見た目で母娘だと感じられる。
いつもよくわからないうちに切腹する直方も歌六がやると、きちんと段取りがあるように見えて納得できる。
見終わった時にコクのある舞台をみた満足があって嬉しかった。
あらすじ⇩はチラシより。
「源義家が奥州安倍氏の反乱を平定した後のこと。皇弟環宮(たまきのみや)が行方不明となり、その咎から平傔仗直方(たいらのけんじょうなおかた)に切腹の命が下されます。そこへ父の難儀を知った娘の袖萩が、盲目で袖乞いの身を顧みず駆けつけます。しかし直方は、安倍貞任と駆落ち妻となり、瞽女(ごぜ)に零落した娘の対面を許しません。袖萩は不孝を詫びる祭文を語り、父母へ許しを乞います。そこへ現れたのは義家の命を狙う貞任の弟宗任。宗任から直方を殺すよう促された袖萩は、思い余って自害します。やがて直方は環宮不明の責から切腹、上使の桂中納言は直方の死を見届けて立ち去ろうとしますが、義家がこれを安倍貞任と見破ります。そして義家と貞任は、戦場での再会を約束して別れるのでした。」
「直侍(なおざむらい) 雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)」
この幕は菊五郎の直ハンにうっとりため息。長い間彼の直侍をみているけれど、きちんとヤンキーに見える。すごい。
蕎麦屋で薬味をどんぶりに粗雑に入れる時の手付、横目で蕎麦屋夫婦を伺う顔付、ささいなところがとても魅力的。
破滅に向かってまっしぐらな青年そのもの。
時蔵の三千歳はがっしり。病気療養中にはみえないよな。
あらすじ⇩はチラシより。
「春がまだ浅い雪の夜の入谷の蕎麦屋。悪事を働き、追われる身の御家人くずれの直次郎は、恋仲の三千歳を療治する按摩の丈賀に出会います。その後、直次郎は三千歳のもとへ向かい、道中で悪党仲間の丑松と遭遇、二人は互いの無事を祈り別れますが、丑松は直次郎を訴人することを決意します。直次郎は三千歳が療養している大口屋の寮へとやってきて、二人は束の間の逢瀬を楽しみますが、その場へ捕手が踏み込み、直次郎は三千歳を残し、一人落ち延びていくのでした。」