3月30日木曜日 18:30

シアターコクーン

 

「死の舞踏」と交互上演。同じくストリンドベリの作品。

 

身分格差の恋愛話。

 

とてもテンポよく見ごたえあった。

ジュリー・小野ゆり子、ジャン・城田優、クリスティン・伊勢佳世。

小野ゆり子が舞台に登場してすぐ「家庭内失踪」で見ていたことを思い出した。ノーブルないい顔をしている。

 

ちょっとわかりにくいのがジュリーが語る自分の母親。

女性解放運動にいそしみ結婚するつもりはなかったれど、ジュリーの父親に口説き落とされ結婚したが、その状況が不満で娘に何やら教育したというようなことを言っていた。この背景が何なのかなあ?ジュリーが母親のせいで特に男性不信になっているわけでもなさそうだったし。

 

ジャンはジュリーを連れて駆け落ちした先でホテルを経営することを夢見て語る。それなりに野心的な男と言うことだろう。

けれども、駆け落ちがうまくいかない状況に混乱したジュリーに自殺をほのめかすのがジャンの役割になっているのは、しっくりこない。

 

野心を満たすのにジュリーを金づるとしてつなぎとめて置く位の手腕がなくては、使用人からの脱却は難しいだろう。死に追いやってしまっては自分も今の境遇から抜け出せない。

 

このへんは演出というより、脚本がちょっと浅いのではないかな。

 

ジュリーとジャンが大騒動している脇で、動きの少ない演技で自分の立場を出ない様を見せる伊勢佳世のクリスティンが力強くみえる。