3月9日木曜日

3月18日土曜日

国立大劇場

 

1回目はe+で平日半額券をゲットして見に行った。

 

四幕目〈三州岡崎 山田幸兵衛住家の場〉で唐木政右衛門の吉右衛門と武術の師匠・山田幸兵衛の歌六に15年ぶりで再開した場面がよかった。

 

遠州行灯を挟んで対面し、両手をあげ、ゆっくりと右に左に振りながらて喜ぶしぐさのおもしろさ。

このばかばかしいような場面に味がでるまでには、この年齢にならないと無理だ。ここだけでも見た甲斐あったと思える舞台だった。

 

この行灯、前回、平成二十六年の同じ場面で使われた直方体の行灯は遠州行灯ではなかったとのことで、今回は円筒形の遠州行灯になっていた。

 

この冒頭で明るく笑い合って、その後、敵討ちを成功させるために我が子を刺し殺して庭に投げ出すまでの緊迫した場面のせりふは、前回同様、吉右衛門、歌六で堪能。

 

幸兵衛が、子供を殺した瞬間に政右衛門の目に涙が光ったと語る一連のせりふは、本当に聞きごたえのあるところだ。

 

葵太夫・長一郎の竹本とともに、まさに名場面。

 

菊之助と米吉が本当にきれいな一対。

関所の茶屋で一目ぼれをする米吉の仕草が丁寧。惚れられる菊之助も、さもあらんという男ぶりで無骨な敵討ち話の中で、桃色の場面。

前回同様、菊之助が傾城に身を持ち崩すようにみえないのは、真面目な持ち味ゆえしょうがないか。こういう点、菊五郎はスゴイね。

 

又五郎は、物堅い佐々木丹右衛門とひょうきんな飛脚・助平の二役。どちらも良い。助平が遠眼鏡を覗いて見える景色を語るところは、はずむ楽しさ。

 

読売演劇大賞を貰った故に、こんな近い再演になったのだと思うが、若手にもしっかり伝わって次回また誰かで再演されるのが楽しみだ。