2月17日金曜日 18:00

EX THEATER ROPPONGI

 

海老蔵の一番の武器、目ん玉を封印して「座頭市」を演じさせるとは、彼のどんな魅力を引き出すつもりなのか、しかも相手役は寺島しのぶ。ちょっとは期待したけれど、単におちゃらけた芝居だった。

 

脚本はリリー・フランキー、演出は三池崇史。どちらの才能も感じられなかった。

 

市川右團次は、片腕を親に切落された侠客。しかもその正体は鵺。なんともちゃちな鵺のきぐるみと煽る旗がでてきてガックリ。

座頭市と鵺の対決なんて、単なる思い付きをしてみただけなのか?

 

片岡市蔵は、品の無い派手な格好をした親分だが、まるでしどころが無い。

気の毒だ。

 

寺島しのぶは、座頭市に一目ぼれする花魁と、盲目の少女の二役。これを早変わりで見せるのだが、座敷に呼ばれた花魁がフイと座敷を離れたので、その穴埋めに店に入ったばかりの粗末な着物を着たままの娘を出そうとする設定で、出たり入ったりの早変わり。

早変わりをして見せたいためだけに、適当な設定をしたようにしかみえない。

 

海老蔵は客席を廻る時に、適当におきゃくさんをいじって笑いをとったりしていたけれど、物語がぐずぐずなので、何をしても場当たりにしかならない。

目ん玉も適当なところで、思い切りひんむいていたので、座頭市の設定すら揺らぐ。

 

上手奥の壁に六本木ヒルズのタワーが描かれていたけれど、これとて芝居の内容に何の関係もなかったな。

 

前回同様お客さんが変わっていて、会社が買ったチケットをタダでもらったので見に来ましたみたいなサラリーンマングループがちらほらといる。

チケットが売れているといっても、中村座のように来たくて来たお客さんとはあきらかに違うゾ。