11月2日水曜日

世田谷パブリックシアタートラム

劇団チョコレートケーキ

 

劇団の評判は観劇仲間から聞いていたし、この初演で松本紀保が 2013年度讀賣演劇大賞 女優部門優秀賞を受賞したのも知っていたので、

チケットとれたら行ってみようかなと軽い気持ちでアクセスしたらあっさり確保できた。

 

大正天皇のプライベートを追っているように見えて、明治、大正、昭和天皇と三代続く親子関係が、第二次世界大戦へ近づいていく道筋にもなっているのが見えてくる見事な政治劇になっていた。

 

病気で身体が思うままに動かなくなって行くのと、父・明治天皇の幻に苛まれ不肖の息子でしかないのかと悩みが深まるのがリンクしていて、息が詰まる。

 

そこに跡継となる昭和天皇の思惑-悪意ではなく事態を打開しようと言う熱意-が絡み、天皇を巡る権力が強まっていく。

 

皇后役の松本紀保は高麗屋の一員らしく声がいい。その声の良さが、この役にぴったりの品位を見せて見事。

 

男性陣が両手を脇にぴったりつけて直角におじぎをする姿が日本の貴族社会を感じさせておもしろい。

 

休憩なしの一幕中、玉座を下手に配し、赤いじゅうたんを斜めにひいた道具だけ。そのままで汽車の車中も描いた。衣装も変化なし。それでも脚本のよさで人の半生が移り行く様が見えた。

もう一度みたい舞台だ。