2月7日日曜日 11:00
国立小劇場
「靭猿 うつぼざる」
申年だからこの演目なのかな?
柿の実がついた枝を肩にして出てくるお猿さんは可愛いけれど、まあ、それだけのものだった。
「信州川中島合戦 しんしゅう・かわなかじまかっせん」
(文化デジタルライブラリーより・あらすじ)勘介の妹・から衣(からぎぬ)は、輝虎の軍師・直江山城守(なおえやましろのかみ)と縁組していました。山城守夫婦は、勘介の母と、妻のお勝を輝虎の館に呼び寄せます。勘介を味方にしたい輝虎は、自ら食事の膳を運んで母をもてなします。ところが、母は恩を受けることを拒み、膳を蹴返してしまいました。輝虎は激怒し、母に切りかかろうとします。しかし、吃音(きつおん)であるため琴歌で詫びるお勝に免じ、心を静めます。
〈輝虎配膳の段/てるとらはいぜんのだん〉奥(おく)を語った咲甫大夫(さきほだゆう)がよかった。
母越路(こしじ)が懸盤(かけばん)を蹴返した直後『短慮の輝虎クワッと急き上げ』と盛り上げて行く所、思わず前のめりになって聞き入った。
吉田和生(よしだかずお)が遣う越路の仕草には強さと品があり『ヲヲ喧しや婿殿、ご免と足踏み伸ばし肘枕』と横になり袖で顔を覆うところがスッと美しかった。
お勝が琴を弾いて訴えている右と左に、越路と刀を抜いた輝虎が対峙して、ジリジリと動いている構図に緊迫感があった。
歌舞伎だと、時蔵で見たせいもあるかもしれないが、ここは眠たくなるところなので、ちゃんと面白い場面なのだなとわかった。
詞章と大道具があわないのはよくあることだが、唐衣(からぎぬ)が 『廊下の欄干に手をかけ』で、欄干がないので柱に手を添えているというのは変な感じだ。それくらい作れそうなものなのに。
もう一か所、唐衣が登場する時『遣戸口に差し窺い』とあるのも、襖じゃなくて板戸じゃないのかなあ。
パンフレットに児玉竜一氏が4ページ渡って詳細な「上演作品への招待」を書いていて、これが面白い。
来歴、見どころとともに、作品がどういった構造になっているかを解き明かしていている。
これはWEBに載せてくれた方が、観劇前に読めていいのにな。
ある程度記事がまとまって一冊になれば、恰好の入門書となりそう。
第一部から三部の中で、一番売れなさそうな第一部で咲甫大夫という収穫があってよかった。
*奥(おく)を語った
若手の咲寿大夫が自身のブログで丁寧に説明しているので参照してください。
http://ameblo.jp/sakiju/entry-11210084958.html
国立小劇場
「靭猿 うつぼざる」
申年だからこの演目なのかな?
柿の実がついた枝を肩にして出てくるお猿さんは可愛いけれど、まあ、それだけのものだった。
「信州川中島合戦 しんしゅう・かわなかじまかっせん」
(文化デジタルライブラリーより・あらすじ)勘介の妹・から衣(からぎぬ)は、輝虎の軍師・直江山城守(なおえやましろのかみ)と縁組していました。山城守夫婦は、勘介の母と、妻のお勝を輝虎の館に呼び寄せます。勘介を味方にしたい輝虎は、自ら食事の膳を運んで母をもてなします。ところが、母は恩を受けることを拒み、膳を蹴返してしまいました。輝虎は激怒し、母に切りかかろうとします。しかし、吃音(きつおん)であるため琴歌で詫びるお勝に免じ、心を静めます。
〈輝虎配膳の段/てるとらはいぜんのだん〉奥(おく)を語った咲甫大夫(さきほだゆう)がよかった。
母越路(こしじ)が懸盤(かけばん)を蹴返した直後『短慮の輝虎クワッと急き上げ』と盛り上げて行く所、思わず前のめりになって聞き入った。
吉田和生(よしだかずお)が遣う越路の仕草には強さと品があり『ヲヲ喧しや婿殿、ご免と足踏み伸ばし肘枕』と横になり袖で顔を覆うところがスッと美しかった。
お勝が琴を弾いて訴えている右と左に、越路と刀を抜いた輝虎が対峙して、ジリジリと動いている構図に緊迫感があった。
歌舞伎だと、時蔵で見たせいもあるかもしれないが、ここは眠たくなるところなので、ちゃんと面白い場面なのだなとわかった。
詞章と大道具があわないのはよくあることだが、唐衣(からぎぬ)が 『廊下の欄干に手をかけ』で、欄干がないので柱に手を添えているというのは変な感じだ。それくらい作れそうなものなのに。
もう一か所、唐衣が登場する時『遣戸口に差し窺い』とあるのも、襖じゃなくて板戸じゃないのかなあ。
パンフレットに児玉竜一氏が4ページ渡って詳細な「上演作品への招待」を書いていて、これが面白い。
来歴、見どころとともに、作品がどういった構造になっているかを解き明かしていている。
これはWEBに載せてくれた方が、観劇前に読めていいのにな。
ある程度記事がまとまって一冊になれば、恰好の入門書となりそう。
第一部から三部の中で、一番売れなさそうな第一部で咲甫大夫という収穫があってよかった。
*奥(おく)を語った
若手の咲寿大夫が自身のブログで丁寧に説明しているので参照してください。
http://ameblo.jp/sakiju/entry-11210084958.html