7月26日日曜日 13:00~16:30
国立演芸場

気まぐれにとったチケット、小三治目当て。
35度越えが続く中、気分が変わって楽しかった。

前座、柳家こはぜ「道灌(どうかん)」。名も演題も忘れていたので人のブログを読んで思い出す。

左龍「壺算(つぼざん)」 なんかおかしいと思うけれど、どこがおかしいのかわからない店の主人の描き方で笑う。

扇辰「藁人形」 花魁(おいらん)がきまぐれに年老いた按摩をだますという、いささか気味の悪い噺。花魁の目線、仕草が実に色っぽい。

小里ん「三人兄弟」親の金で遊ぶ道楽息子たち。寝床で隣に寝ているはずの兄弟に、のろけを聞かせるところ、しょうもない話しながらお遊び人の味わいもあっていいね。小三治以外、知っていた落語家はこの人だけ。

はん治「百川(ももかわ)」田舎者の描き方に愛らしさがあってよかった。

正楽の紙切り。お客さんから注文を受けると言った途端、大声で同時に声がかかるのにびっくり。皆、慣れているのね。
ちょっと困らせようと言うお題「憲法9条」「宗悦殺し」なんていうのもソツなくこなしていた。
「宗悦殺し」なんて見たことないから、私は何のことかわからなかった。正楽が豊志賀(とよしが)とか出てくるやつね、といったので真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)の一節かなと合点がいった程度。

小三治「お化け長屋」演芸場の前は41度あったから今は出ない方がいい、後30分位すると丁度いい…とはじまったまくらでは、暑さにあたって<彦六><ドライアイス〉の名が出てこないのも笑いに変えて、怪談噺の裏話。
彦六の怪談噺のクライマックスでドライアイスの煙を出すはずが、失敗して盥のお湯(彦六はドライアイスには熱いお湯と指定)を舞台に流してしまった時、それを担当した弟子が埼玉出身の人だったから「まあ、しょうがねえや」と投げたというところで大笑い。

本題に入ってからは長屋を借りに来た乱暴な男と、長屋の住人とのやり取りの間が心地よくて存分に楽しく笑った。いい暑気払いになったワ。


ところで、演芸場に歌舞伎、文楽、能のチラシが置かれていなかった。帰りがけ伝統芸能情報館に寄って貰って来たけれど、演芸上に置いてもまるで効果がないということなのかな?