ニーブイカーブイ*journal* -6ページ目

ある先輩の手記。

ある大先輩のお話です。

その方は今年80歳になります。
66歳の時に交通事故に遭われ、それ以降は一日のほとんどの時間をベッドで過ごしていらっしゃいます。

限られた生活空間の中、毎日をクリエイティブに、そしてフランクに過ごしていらっしゃいます。

僕は事ある毎にこの方から、日本各地の民謡、故郷(会津)の民話(創作民話集の著作もあります)、俳句を教わり、時間があるだけ四方山話、時に下世話な話をしています(矢吹春奈好き)。
最近では自主出版ではありますが、自伝を出版なさいました。


その方がある地域機関誌に投稿すべく記事を執筆なさったのですが、地域機関誌としては政治的に偏り過ぎているとの事でボツになってしまいました。

言論、表現の自由が憲法で保証されている筈なのに、・・・・・等と会話を交わした後、僕が持っている媒体で紹介しますよ、とお伝えし快諾して頂きました。

確かに文章の節々は過激な言葉が有りますが、まずは増税で復興を、なんて事を神妙面してのたまっている現内閣に対して多くの方が感じている感覚だと思いますし、まず声を出す事は必要な事であると感じています。

そして何より、お互いに大切な地である福島(僕の父の出身も圏内で、浪江町の叔父が津波に流されました)への想いのこもったこの方の言葉を埋もれさせたくない、という個人的な気持ちから以下に転記します。






小松左京さんが亡くなった。
50年も前に「日本沈没」を書いたSF小説作家だが、此の度の巨大地震による原発の事故を見通す様な作品群を見ると私の同世代に生まれ戦後の復興の中での洞察力に深い尊敬を捧げるものである。

3.11の未曾有の大震災とそれに伴って起きた原発の事故は、日本歴史の最大の汚点として永久に消えるものではない。
私の考えから言うと、福島原発の事故は考えるのも恐ろしい人災である。
その被害を見聞すると、過去を遡ってこういう危険が予測されたとか事故の対応が遅れたとかマスコミは報道するが、全て結果論であって、戦犯議論と同じで嫌悪の対象の何物でもない。
私は今回の原発問題について、長年に渡る自民党政治の日本丸の舵取りの間違いと、東京電力株式会社の上層幹部の犯罪と認めざるを得ない。
原発の周辺の住民には利益の中の鼻糞程の飴を舐めさせ、群がる族議員は大きな献金を長年に渡り手にする、
あげくの果て日本のトップ頭脳まで御用学者に仕立て大きな飴を舐めさせ神話を装わせたのである。
これは先の戦争犯罪人以上に重い罪を課すべきである。

原発周辺の人達は平和な先祖伝来の土地を追われ流浪の民となって故郷には住めない。
地震津波による災害なら復興も行われようか、放射能による汚染は百年以上かかるかもしれない。
国民は此の復興財源を孫の代まで負担しなければならない。
一部の小利口な人達は国外に逃亡していくだろう。
しかし一国民は現実から逃げられず一生を送るしか無い。

いつの世も庶民の犠牲の上で世界は廻る。

東京都には4000億円もの五輪積立金があるというが、早速災害復興資金に使うべきである。
次期オリンピック開催などと一将軍の功にしてはならない。日本を沈没させてはならないのである。