豆炭あんか、湯たんぽ、電気あんか、電気毛布、この順番。
明治や大正、昭和初期の高齢者の方々との会話では
成り立った「豆炭」。これは平成生まれには通じなかった。
もう絶滅してしまったのかと思われたが、検索してみると
安価ではないが、24時間長持ちあんか、アウトドアーグッズ
などと称して、未だに売っているのを発見した。
私の覚えている記憶では、寝る前に台所に立つ母親が
あんかを広げた白い石綿の上に、焼けた豆炭を置いている風景。
これを閉じて、タオルや古い下着で巻き、寝るときに
抱っこしたり足元に置いたりして、暖まって寝るというもの。
しかしこの記憶も田舎のばーちゃんちだったのか、自宅だったのか
その辺は定かでない。ただ使って寝たことだけは確かだ。
朝になって布団を引っぺがされて起こされても
手繰り寄せて起きるのにあがいてる自分の足元に
ぬくもりを感じると、そこには豆炭あんかがあった。
いつまでも暖かい。
その後の湯たんぽになると、朝になればお湯は冷めてしまい
逆に布からはみ出した金属部分が触れれば冷たいとなってしまう。
一度焼いてしまえば、24時間持つというのだから、今の時代に
豆炭はエコな存在なのかもしれない。焼くのが大変かもだけど。
