竹の子掘り | ふと、思うこと

ふと、思うこと

猫と美味しい食事で日々乗り切ってるアラカンおばさんの日常ブログです

子供の頃は、近所の誰かしらの裏庭には竹林があり、
春になれば間引きを兼ねて、竹の子掘りをさせてもらえたものだ。

我が家は常に賃貸住居だったから、大抵その時の
地主の大家さんちの裏の林へ、入らせてもらえた。

親にくっついて中に入れば、クモの巣に
まとわりつかれたり、竹の根っこに蹴っつまづいたり。

枯れた笹の葉のカサカサする地面から、もぐらみたいな
盛り上がる土を見つければ、そこには小さな芽が。
そいつが竹の子だ。

喜び勇んで、素手で引っこ抜こうと先っちょを握れば
竹の子の皮の茶色い産毛が、手の平にチクチク。

手の平についたチクチクを払っていると
「どいてなさい。」
とクワを手にした親に押しやられてしまう。

竹の子の周りを何となくほじったら「そーりゃっ!」
とクワを振り下ろす。一発でポコン!だ。

土の中から見事にタケノコが転がり出てくる。

わーい!と拾いに行って、持参した新聞紙の上に回収。
そして、私はまた新たに次の竹の子を探す係だ。
そうやって3つ4つ掘らしてもらうと、林から出て
大家さんにお礼を言って、たがえて帰る。

そんな感じが、私が知る「竹の子堀り」。

「凄く大きいの採れたね~。」
「何だかひん曲がってるね~。」
などと親に話しながら、私の気分は豊作でウキウキになる。

家に戻り外の共同流しの中に並べると、今度は皮むき作業。

私は1本手にすると、地べたに新聞紙の上で皮剥きを始めた。
剥いても剥いても、チクチクの皮だ。
グワッ!カパン!と剥がすのも意外と気持ちがいい。

しかし、これがなかなか終わらず「全部皮なんじゃないか?」とか
「この皮も下の毛のないところは食べれるんじゃないか?」とか
「先っちょは、どこまでが皮なのだ?」とか、思い悩む。

だが、そう思いつつも、根気良く剥いていると
いつの間にやら、よく見る竹の子の姿になるってもんだ。

私がそうやって遊んで剥いてるうちに、親は包丁を入れ
サッサと3つ剥いてしまっていた。私の竹の子待ちだった。

皮を剥いて固い部分を除けば、あんなに大きかった
食べ切れるかな?という量の竹の子も、あっという間に
カサが減り、ひと鍋分しかありゃしない。

代わりに出た山盛りの皮は、家の裏にちょっとスコップで
穴掘って投げておしまいだ。生ゴミ処理の楽な時代。

ここからは、母親が米ぬかで下茹でし、竹の子ご飯や
煮物へと変えてくれる。私は食べれるまで待つのみだ。

この竹の子炊いたのが良い香り~。
春の香りと言っても過言ではないね。