そう叫んで、ポイポイ投げて遊んでいた花。
お風呂屋さん通いの行き帰りに、曲がり角に生えていたので
いつも摘んでは、花の根元の丸い種をそっと抜き
めしべおしべを引き出し、ちょうどいい場所でストップ。
この玉ころの種が重しになって、花が傘になるので
上へ投げてやると、面白いようにクルクル回りながら
地面へと落下する。
咲いている間は、飽きも懲りずに毎日遊びながら帰った。
黒くなった種を割ると、中から白い粉が出てくる。
おしろいばなと言うんだから、これが化粧のおしろいなんだろうと
中身を出して集めて、女の子のおままごとでほっぺに塗ったりした。
でも結局きれいに塗れなくて、顔に白いいたずら描きしたようになる。
お互いそれを見て笑いあった。
アスファルトの道路に模様を書いて、ケンケンパーなど石蹴り遊びをする際
チョークも蝋石もないって時に、この種が役立つ。
沢山取ってきて、少しずつだが白い線が書けるのだ。
みんなで地道な作業。
出来上がりは、きれいとはいえない品祖な線で
黒い種の皮カスも混ざっているが、ないよりはマシ。
遊ぶ時間より書いてた時間の方が長かったりするが
自分達は達成感で満足してたりする。
色んな用途で遊び道具になる花だった。
黒い種は、表面に爪を入れると皮がパチっと半分に割れ、
中から薄皮に包まれた白い実が出てくる。
この薄皮を破くと、中に白い粉が入っていて
これが熟し具合で、粉っぽかったり、しっとりしていたり。
このちょうどいい乾燥具合の見極めも楽しかった。

机の引き出しに、割った中身をいくつも蓄えたりしていた。
半年くらいは楽しめた花だったように思う。

濃いピンクに白に黄色と、色とりどりできれいな花。
実はこれは花びらではなく、ガクなんだそうだ。
小笠原で学んだブーゲンビレアと一緒。
花の進化やカモフラージュも実に見事で面白い。