現代中国の宗教事情がちょっと怖かった
今日、NHKスペシャルで「中国激動 さまよえる人民の心」として、”空前の宗教ブーム到来”についての番組をやっていた。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/1013/
中国共産党は宗教を禁じてきたのだけれど、改革解放以降、中国人の銭ゲバがエスカレートしすぎて、道徳の荒廃がひどいことになっているということで、心のよりどころを求めて宗教が大ブームだという。
共産党も方針を変えて、国家の発展に寄与する範囲で宗教を公認しているとか。
それ自体は喜ばしいことだけど、番組を見てるとちょっと怖い感じもしなくはなかった。
まずキリスト教。非公認の地下教会もある。いまキリスト教徒の数がすごく増えていて、共産党員と同じぐらいいるそうだ。
みんな涙を流しながら中国語の賛美歌(?)を歌ってた。
会社をクビになった女性に、「悪魔がついている」といってエクソシストばりの儀式もやっていた。
それから儒教。これは国が積極的にバックアップしているという。
儒教を現代風にアレンジした新興グループの大集会は、なんか自己啓発セミナーみたいだった。みんなでいっせいに、親(に見立てた会員?)の脚を素手で洗いながら、涙を流していた。
番組では残念ながら仏教は取り上げてなかったけれど、どうなんだろう。
上海の静安寺や龍華寺は、10年ぐらい前に行ったときは、いい感じに寂れて、でも修行僧がいて葬儀をやっていたり、人びとが膝をついて参拝していたり、日本の寺より生きてる感じがしたものだ。
3年ぐらい前に行ったときは、完璧に整備されていたから、当局が肝いりで修復したのだろう。ところが、お経や説明をテープで大音量で流したり、金ピカで不敵な笑みのニュー仏像が置かれていたり、周りに土産物屋ができていたりで、なんか台無しになっていた。
チベット仏教に対する中国政府の仕打ちを考えると、政府は全く信用ならない。
とはいえ、あれだけの人数がいる国で、聖書や論語や仏典を読む人が増えれば、まっとうな宗教家や信者さんも出て来るだろう。チベット問題を考えると、もしかして政府は仏教を警戒してるかもしれないな。
この番組、NHKオンデマンドで小銭を払えば、しばらくはネットで観られます。