ダイナミックでヘンな釈迦像「宇宙的仏陀像」
インドから中国に伝わるあいだの、中央アジアの仏教が、
いろんな宗教・文化がまじってダイナミックで面白い。
ということを前に書いたけれど、この本を読むとよくわかる。
『新アジア仏教史05 中央アジア 文明・文化の交差点』
第5章「中央アジアの仏教美術」(宮路昭先生)でも
ほんとに面白い仏教美術がいろいろ紹介されている。
こんなヘンテコリンな仏像(壁画)があるのかと思ったのは、
同書で「宇宙的仏陀像」と表現されているものだ。
仏の身体の上に、地獄の罪人・天人・仏陀や須弥山といった
仏教的宇宙がびっしり書き込まれているのだ。
本には、キジル第13窟(6~7世紀)や、
敦煌428窟などの例が出ていた。
下は敦煌428窟の壁画で、宮路先生は、お釈迦様だろうという。
裳のすそには地獄で苦しむ人たち、その上の層には鳥獣、
その上の層には農業をやる人や愛欲にふける男女・・・
腰から上には須弥山と、天上の神々、という
仏教的宇宙観が描かれている。
鼻が白いのも面白いですね。

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