仏教徒VSイスラム教徒の殺し合いは続くinミャンマー | 釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~

仏教徒VSイスラム教徒の殺し合いは続くinミャンマー

今日、オバマ大統領が、現職大統領として初めてミャンマーを訪問した。


異教徒同士の殺し合いというと、ユダヤ-キリスト教VSイスラム教が激しいので、仏教はピースフルだと思いたくなるのだが、そうとも言い切れない。ミャンマー西部では、仏教徒のラカイン族VSイスラム教徒のロヒンギャ族が、血で血を洗う抗争を繰り広げている。ミャンマーでは人口の89%を占める仏教徒が多数派で、イスラム教徒はわずか4%だ。


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2012.6.12 産経新聞より



 事の発端は、イスラム教徒のロヒンギャ族の若者がある町で、仏教徒であるラカイン族の少女を暴行したと伝えられたこと。報復としてラカイン族は6月3日、ロヒンギャ族が乗ったバスを襲撃し、10人を殺害した。

 8日にはロヒンギャ族が暴徒化し、千人以上がラカイン族の22村を襲撃して7人を殺害し、住宅や店舗など約500軒に放火した。混乱は州都シットウェにも拡大し、10日にラカイン族の家屋が焼かれ負傷者が出た。最大都市ヤンゴンでは仏教徒約600人が、「ロヒンギャ族をミャンマーから追い出せ」と叫んだ。


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その後も衝突は続き、1119日までに少なくとも178人が死亡、双方の民家や寺院が焼き討ちにあって、のべ105000人が避難民となっているという。


ロヒンギャ族は、バングラディッシュからの不法移民だと扱われ、国籍さえ与えられていない。オバマ大統領訪問で米国の支援を勝ち取るために、ミャンマーの大統領はロヒンギャ族への国籍付与を検討すると表明した・・と新聞に出ていた。



あと、ミャンマーには少数民族の武装組織、民主カレン仏教徒軍DKBA= Democratic Karen Buddhist Army)というのもあった。カレン族の反政府武装組織「カレン民族解放軍(KNLA)」の指導部がキリスト教徒だってことで、反発した仏教徒が分裂してつくったのだ。この民主カレン仏教徒軍は、寝返って親政府組織となり、ミャンマー独裁政権の国軍と一緒に他民族をバリバリ殺していた。


前に見た映画で、キリスト教系民兵の機関銃にマリア像が貼ってあって印象的だったが、民主カレン仏教徒軍は軍服に仏教旗を貼っていた。Buddhist Armyというのは言葉としてはなかなかクールだが。


釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~

民主カレン仏教徒軍


彼らは敬虔な上座仏教徒。不殺生とかそのへんはお読みになりましたよね?と言うのは簡単だが、どんな宗教を看板にしようとも「人は状況によって寛容にも排他的にもなる」という末木先生の言葉を思い出した。


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