オウム高橋が読んでいた『呪術の体験』
逮捕されたオウムの高橋克也容疑者のキャリーバッグや部屋に
「麻原の本のほか宗教関連の本」があったと報道されていた。
麻原以外のはどんな本? スッタニパータとか持ってたりして?
と思って報道を調べてみたら、
やっぱりチベット仏教の解説書とか、幽体離脱などオカルティな本だったらしい。
固有名詞が出ていたなかに、カルロス・カスタネダの著書
『呪術の体験 - 分離したリアリティ』
『夢見の技法 - 超意識への飛翔』という本があった。
私はカルロスさんのことを知らなかったけれど、
『カルロス・カスタネダ』という著書もある島田裕巳さんは、
高橋逮捕後にブログでこんなふうに書いていた。
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カルロス・カスタネダは、ブラジル生まれの人類学者で、1968年に刊行された『呪術/ドン・ファンの教え』が、彼がいたアメリカだけではなく、世界的にヒットし、とくに当時勢いをもっていたカウンター・カルチャーの運動に多大な影響を与えた。日本では、カスタネダのことについては、最初に哲学者の鶴見俊輔氏が紹介し、社会学者の見田宗介氏(真木悠介の名で)、宗教学者の中沢新一氏がその著作で取り上げ、高く評価したことから広く知られるようになった。
カスタネダは、オルダス・ハックスリーがLSD体験を記した『知覚の扉』を読んで幻覚性植物への関心をもつようになり、UCLAの人類学の学生として行ったフィールド・ワークのなかで、メキシコのヤキ族の呪術師で、カスタネダがドン・ファンと呼ぶ人物と出会い、そのもとで修行を行うようになる。ドン・ファンは、幻覚性植物などを用いることによって、カスタネダをさまざまな神秘体験に導いていく。
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うわあ、もろカウンターカルチャー。
『呪術』はアメリカで1968年、日本で1972年に出たというからね。
(ウィキではペルー生まれとなってたが)
それから、ドゥルーズ=ガタリが『千のプラトー』(原書80年)や
中沢新一が著書で触れたというのは、
もろ80年代のニューアカ&ポストモダンっぽい。
個人的には呪術とか神秘体験にまるっきり興味がないので
かすったこともないけれど・・・
いかにも元オウムの人の部屋から見つかりそうな本ではあるし、
現在のスピリチュアル大好き族にも好まれそうだ。
それにしても、いまだに麻原本を持ち歩いてたことは
それはそれで強い信仰心という気がして驚いた。
報道では「いまだ洗脳解けず」「いまだ宗教に依存」となっていた。
私がトチ狂って殺人でも犯したら、
家にある仏教書の山をもって「宗教に依存した女の心の闇」を
八幡洋先生とかに分析されてしまうのかしら。

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