ブッダのトンデモ本を書いた人が殺人容疑で逮捕された
私が持っていた『仏弟子の告白』を見て、そばにいた友達が
「仏教って『それでいいんだよ』って感じでおだやかでいいよねえ」と言った。
先日来日して大人気らしいブータン国王夫妻の、
おだやかな振る舞いを見て、さらにそういうイメージが強まったかもしれない。
けれども・・
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これは、のんびりしたことをめざしているのではない。
あらゆる絆をちぎり裂くこの安らぎ(ニルヴァーナ)に達することは、
わずかな気力をもってしては、できないはずである。
『仏弟子の告白 テーラーガーター』(岩波文庫 中村元訳)
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ぜんぜん話は変わりますが、
11月22日に群馬県太田市で萩原直樹(49歳)というスキンヘッドの人が、
奥さんを刺殺した容疑で逮捕された。
この人は「アカデミー21」というスピリチュアルサロンみたいなのを
やっていて、除霊とかUFOツアーとかをPRしていた。
『あなたもブッダ―愛を植えよう(あいうえお) 』とか
『エル・ランティの新復活―銀河天使から二十一世紀人類へのメッセージ』
という、いかにも電波がビンビン飛び交う著書も書いていた。
前者は、お釈迦さまとチャネリングして書いたというトホホな本で、
後者は「生きながらにして生まれ変わることをテーマに、
モーゼ・イエス・釈迦の三位一体エル・ランティの新復活について
直観をもとに書かれた」という、どっかで聞いたような内容らしい。
萩原容疑者の動画は完全にイっちゃってて、もう見られなくなっているが、
残っているブログには、たとえばこんなことが書いてある。
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ぼくは、アボロキティ・シュバラー(観自在能力者)です。
つまり超人的な知恵を発揮する人(霊止)です。
波動レヴェルは、9.999次元です。
人を人として正しく観るチカラを持ち併せています。
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アカデミー21の除霊とは、ズバリ「救霊」です。
これが、世界最前線をいく除霊方法です。
霊的な障り、たとえば生霊・祟り・病魔などから救済します。
除霊バスター萩原直樹は、 世界中どこまでも出張救霊します。
指導霊は、(GLAの)高橋信次師です。かしこ。
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あ~あ、”いかにも”ですね。
スピリチュアルの人って、なんでみんな同じことを言うんだろう。退屈だ。
それに、霊言とか波動とかヒーリングとか、なんでもいいけど、
そんな超人さんならゼロから新しい宗教を打ち立てればいいのに、
なぜお釈迦さまやキリストの名前を借用するんだろう。迷惑だ。
萩原容疑者については、まだ容疑で本人は否定しているので
乱暴なことはいえないが、明らかに精神鑑定は受けるでしょうね。
私にも統合失調症の親戚がいて、宇宙からの声をよく聴いていたが、
それをチャネリングや直観だと思って治療が遅れると、本人にとっても不幸だと思う。

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