真理は「一切の世間の人々と正反対である」(スッタニパータ その3)
今週はやたら忙しくて、仏教時間を持つことができません。
ですが、こういうときこそ一言だけでも仏の言葉を。
================================
第三章 十二 二種の観察
761
自己の身体(=個体)を断滅することが「安楽」である、と
諸々の聖者は見る。
(正しく)見る人々のこの(考え)は、
一切の世間の人々と正反対である。
762
他の人々が「安楽」であると称するものを、
諸々の聖者は「苦しみ」であると言う。
他の人々が「苦しみ」であると称するものを、
諸々の聖者は「安楽」であると知る。
解し難き真理を見よ。
無智なる人々はここに迷っている。
(『ブッダの言葉』岩波文庫 中村元訳)
=================================
スッタニパータは何度読み直んでも素晴らしいなあ・・。
「一切の世間の人々と正反対」だと、お釈迦さまは重々承知だったんですね。
現代でも、人が恐怖するのは死によって完全消滅してしまうことで、
生まれ変わりや「あの世」を信じるほうが気休めになる。
お葬式の弔辞で「天国でゆっくり休んでください」とか言うのも、
どこかにまだ存在していると思いたいからでしょう。
お釈迦さまは、それと真逆のこと―ー輪廻が苦で消滅が安楽だ、と言う。
古代インドではある程度、受け入れられる話なのかと思ったら、
当時から「世間と正反対」だったわけですね。
お釈迦さまは「きっとわかってもらえまい」と思いながら、
「解し難い真理」を45年も説き続けたのではないかしら……
そう思うと、切なくなってくるのでした。
にほんブログ村