誤ったことで生計を立てている(中部経典第117経「聖道経」)
本日は中部経典第117経「聖道経」(優れた四十の効果)。
これは、お釈迦さまが、悟りへの道の大基本「八支聖道(八正道)」
「正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念および正定」
を解説するお経です。
このなかで、「正しい生計」と訳されている項目(4つ目の正命)は、
ものすごく耳が痛かったです。
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「では、比丘たちよ、誤った生計とは何か。
もったいぶって(人の歓心を買ったり)、口先で丸め込んだり、
遠回しに何かをねだったり、人を貶めたり、
利益によってさらなる利益を追求すること――これが誤った生計である。
『原始仏典 中部経典Ⅳ』(春秋社)第117経 山本充代訳
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いたたたた、耳が痛すぎる。
「この新製品は実は前のバージョンと大して変わってないんですよ」とか
「この投資信託は、内容を理解できない人にはお勧めしません」とか
本当のことを言って商売になればハッピーだけれど、
多くの仕事は、たいして必要ないものを買わせることで回っている
(とくに先進資本主義国ではね)。
街を歩いても書店に行っても、本心ではない言葉の瓦礫に呆然とします。
瓦礫を築くことに私はいつまで耐えられるだろうか。
現代語訳の註には、「もったいぶって~」以降の具体例は、
Visuddhimagga(清浄道論)を参考にした、とありました。
「清浄道論」は、パーリ仏典の注釈者・ブッダゴーサ(仏音)が
5世紀頃にスリランカで作った、修行法を詳説したもの。
これの現代語訳をして公開している奇特な方を発見しました。
http://cms.j-theravada.net/tipitaka/
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