今度は「法然と親鸞 ゆかりの名宝」@上野
「空海と密教美術」展、行ってきました。
平日なのに混んでましたねえ。土日だと、入場するのにも並ばないといけないかも。
お経・仏像・曼荼羅・法具と、真言宗には物がたくさんあって
それが美術を発達させもしたのでしょうが、
中国においては荷物の多さがデメリットにもなりました。
9世紀の皇帝・武宗時代に大規模な仏教弾圧があって、
寺や仏像が破壊されたり仏具を没収されたりで、真言宗は大打撃を受けました。
一方で、当時できたばかりの禅宗は、仏像もないし
「不立文字」で仏典も必要ないしで、破壊するものが少なく、
「弾圧されればされるほど、禅宗が勢力を増していった」と、
以前、臨済宗の講演で聞きました。
気がつけば、田舎の新興宗派だった禅宗が天下を取り、
中国の密教は衰退してしまったそうです。
さて、同じ東京博物館・平成館@上野で、
今度は「法然と親鸞 ゆかりの名宝」展が開催されます(10月25~12月4日)。
法然800回忌、親鸞750回忌である今年の仏教界は大忙しだ。
以下は会場にあったパンフレットです。
http://www.honen-shinran.com/index.html
密教の主役が大日如来なのに対し、
法然・親鸞の浄土教の主役はもちろん阿弥陀如来。
教えの中身は置いといて浄土思想系の美術は華やかで大好きです。
華やかなのは、功徳を積めば往生できるということで、
貴族が寺や仏像にたくさんお金を突っ込んだからなんですね。
浄土系のお経は「無量寿経」「観無量寿経」「阿弥陀経」ですが、
その現代語訳を読んで、日本の浄土信仰とずいぶん違うところがあって
驚いたことがあります。
たとえば、こんな部分。
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『浄土三部経』(岩波文庫)の「無量寿経」より引用。
【浄土経・現代語訳】
「かの仏国土にすでに生まれ、現在生まれ、未来に生まれるであろう
生ける者どもは、すべて永遠の平安(ニルヴァーナ)に至るまで、
<正しい状態>でいる者であると決定しているのだ」
【この部分の註】
「極楽に生まれることは、ニルヴァーナに達する以前の前段階なのである。
往生即涅槃と解する浄土真宗の教義は、日本で成立した独自のものなのである。」
http://ameblo.jp/nibbaana/entry-10497619320.html
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本来は、「極楽往生」はゴールじゃなかったんですねー。
会社を辞める前に有給休暇でリゾート地に旅行するようなものが極楽往生で、
ゴールはあくまで涅槃つまり存在の完全消滅。
それ以外にも諸々の驚きを以前ブログに書いたものでした。
いきなり登場する阿弥陀如来
http://ameblo.jp/nibbaana/entry-10499389169.html
阿弥陀は誰でも救うわけではない
http://ameblo.jp/nibbaana/entry-10500282697.html
「他力本願」は漢訳仏典の強引な訓読から生まれた説
http://ameblo.jp/nibbaana/entry-10490636329.html
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