『サンガジャパン』VOL6 「震災と祈り」号
新世代仏教雑誌『サンガジャパン』Vol.6は「震災と祈り」特集でした。
版元・サンガの本社は仙台にあって社長さんの家族も仙台にいるそうで、
全体的に切実で誠実なかんじのする内容でした。
まだ全部読んではいないですが、
・玄侑宗久さんインタビュー
お寺が福島なので大変でしょうね・・。いくら危険でも、
「檀家さんを置いてどこかに逃げるなど私にはありえない」
という言葉に、「住職」の重みを感じました。
・編集部の被災地日記
仏教教団に限らず、キリスト教会やイスラム教会の
支援活動も載っていました。
・アンケート
仏教者や仏教学者などに、震災で思ったことと
「道しるべになる言葉」を聞いたもの。
それぞれの人が挙げた仏典の言葉が沁みた。
・パーリ三蔵への道
「大般涅槃経」に出てくる地震の記述を挙げて、
お釈迦さまは地震=天罰なんて言ってない、ということを丁寧に検証。
言うはずないと思ったけど、やっぱり言ってなくてよかった・・。
おなじみスマナサーラ長老の法話や、
社会学者・大澤真幸さん、映画監督・想田和弘さん、
タイや福井県のお坊さんのインタビューなど、今号も意欲的でした。
個人的にもっとも刺激的だったのは、
藤本晃さん(浄土真宗のお坊さん)の連載、
「仏教としての浄土真宗 第1回 大乗仏教という問題」。
「大乗仏典の根本的な問題は、ウソをついていること」と、
断言しちゃってるのですよ、浄土真宗のお坊さんが。
お釈迦さまの死後何百年もたって書かれているのに、
「お釈迦さまはこう言った」と仏説を装っているのが、
もう根本的にダメだ、不妄語戒を破っていると。
こんなこと『大法輪』じゃ絶対書けませんね。
でも、「だから大乗仏教はダメ」と切り捨てるわけではありません。
だって中国も日本も、「仏説ではない」などとまったく知らずに、
大乗仏典から仏教を組み立ててきたわけですものね。
まず「ウソ、偽経」だと認めてから、内容を吟味すべし、というのです。
ちゃんと仏説のエッセンスを汲み取って発展させているものもあると。
インドで、誰がどのような状況で大乗仏典を書いたのか?
という話を、平易な言葉で説明してあって、すごく納得できました。
あんまり書くと何なので、ぜひ実物を読んでみてください。
採算は厳しいと思うけど、続いてほしいなあ、この雑誌。

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